二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒い仮面の白いカラス【REBORN】 ( No.4 )
- 日時: 2011/12/24 09:30
- 名前: 村崎 紫 (ID: leOS3oG6)
№2 遭遇<イタリアって珍しい人多いよね>
下校時刻。教室は部活動がある生徒もおり、忙しない雰囲気だ。
「ロッソ君、朝からごめんね? 心配かけたみたいで」
「気にしないで」
「日本語、上手いんだな」
「ありがとう、山本君」
遥かに高い山本を見上げ、笑う。
「あっ、俺、沢田綱吉。ツナって呼んで」
「俺は山本武な。んで、コイツが獄寺」
「……十代目、こいつ怪しいッス!」
「ええ!? それはさすがに失礼だよ獄寺君!」
獄寺の目が鋭くなる一方、ツナが焦りまくる。それもそうだ。初対面の相手を不審者扱いしているのだから。
ロッソは怒るどころか、面白おかしそうに笑う。
「それ傑作! ハハッ」
「そうっすか……すいません」
「いやいや……それはロッソ君に……」
獄寺はロッソを横目で睨みつける。ロッソはそれに動じず笑っていた。
笑いが収まったのか、バックを持つと顔を上げ、
「さ、帰ろうか、ツナ君達」
と言った。しかし、山本はやや残念そうな顔をしている。
「わり、俺部活あっから」
「……そっか……残念」
じゃあ、と一言残すと、山本は鞄を持って教室を飛び出した。
生徒が少なくなってきた教室を出た三人。廊下ですれ違う生徒は、ロッソの事を気にかけていた。
生徒の通りが少ない校門を曲がると、黙り込んでいた獄寺が口を開いた。
「ロッソ、お前どこから来た?」
「イタリア。クラスの子から聞いたけど、獄寺君もらしいね?」
「まあな……良い所だとは思わないぜ」
「はは、そうかな? 結構珍しい感じの人とかいるよね」
「あ……はは」
思い当たる節があるのか、ツナも獄寺も苦笑した。
しばらく歩いていると、前方から小さい影が歩み寄ってきた。
ふとツナの顔色が変わる。気分が悪そうというわけでなく、呆れたような顔。一方で獄寺の顔は輝いている。
「リボーンさん!」
獄寺が声を上げる。目線を下に下げると、二頭身程度の小さな……赤ん坊というに言い難い人物。
「ん? ツナ君の弟?」
「誰だ?」
「ロッソ・フィオーレ君。今日転校してきたの!」
「初めまして、リボーン君」
ロッソがリボーンを持ち上げる。リボーンは満足気に微笑んだ。
ツナはがボーンを見る目は変わらず、ロッソに降ろすように言った。
「あはは、変わった赤ん坊」
「そうだろ?」
リボーンは、ニッと笑い、三人を見上げた。
家の塀に飛び上がり、リボーンが進む。ツナ達は後を追うように歩き出した。
「おい、ツナ。話しがあるから早く帰ってこいよ。獄寺も連れて、な」
「えぇぇ!? いきなり何だよ。都合が良いかもわから」
「大丈夫ッス!」
獄寺の返事は早かった。
「僕には言えない?」
「まあな」
ツナは小さく、「悪い予感がして来た……」と呟き肩を落とす。
先程まで青かった空も、いつの間にか朱色に染まっていた。鮮やかに、高く、高く——。