二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 儚く消へるは鬼の夢 ( No.23 )
- 日時: 2012/01/07 10:53
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
質話 「滅んだ一族と生き残った者」
千澪「ふう・・・」
千澪が、ある茂みの中で佇んでいる。
上を向いて眼を閉じて、じっとしている。
不意に後ろを見た。
ただの草原だったが、千澪が一点を見定めて言う。
千澪「隠れていなくても平気よ。私は敵じゃないと言ったでしょう?」
千澪が言葉をかけても、一向に動く気配がない。
此方の様子を伺っているようにも思えた。
千澪は溜息を付くと、着物の袖下から音も無く刀を取り出す。
そして、鯉口を切ると、見定めていた場所に向かって投げる。
刀の柄に付いている鈴が音を立てた。
その刀は、見定めている場所の直ぐ隣にある木に刺さった。
千澪「出てきなさい。命令よ・・・。私を怒らせないで」
そう言うと、茂みががさがさっと音を立てた。
そして其処に居たのは、天霧九寿だ。
天霧は木に刺さった刀を抜いて千澪に渡す。
天霧を見た千澪は、ぱっと顔を明るくした。
千澪「やはり貴方だったのね。貴方じゃなかったら如何しようかと思ったわ」
天霧「ご無事で何よりです。ですが、貴女の一族は滅んだと・・・」
千澪「・・・ええ。私意外もう【奈都】は居ないわ。だけど、まだ他に居るでしょう?」
天霧「そうですね」
千澪「全くもって笑える話だわ」
天霧「処で奈都殿、御召替の方は・・・」
千澪「そうね・・・これじゃ動きづらいわ」
そう言うと、千澪は一瞬で服を変える。
金髪はポニーテールのように結いなおしてある。(あとで画像載せます)
千澪「さぁ・・・行きましょうか」
—————
左「よぉ千鶴。千緒との茶はどうだった?」
千鶴「とても楽しかったです。お千ちゃんにまた会いました」
左「そうか。良かったな」
左之助が千鶴の頭を撫でる。
千鶴は恥ずかしがっているような顔をした。
千鶴「そういえば原田さん。あの千緒さん・・・って本名は【奈都千澪】って言うらしいですよ」
左「そうなのか?舞妓名ってのもあるんだな」
千鶴「そうですね」
千鶴(千澪さんが鬼っていうのは言わない方が良いよね・・・)
千鶴「また一緒にお茶して下さるようで、楽しみです」
左「あんまふらふらすんじゃねぇぞ」
左之助は笑って言った。
【続く・・・