二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 忘れないよ 第二章 ( No.86 )
日時: 2012/01/26 20:33
名前: 亜鶴 (ID: JFBEfYhr)

テスト勉強で追われる日々を送る亜鶴です。
今回は一時の休憩で更新したいと思います(笑)





第二幕  すれ違い   (千里視点)




父の運転する車がここ————熊本県小里村についた。
私は末永千里。



お父さんは来週から海外転勤のため日本を離れるんだけど、私はしばらくと言うか熊本のお母さんの実家で暮らすことになった。実家にはおばあちゃんとおじいちゃん、それから私のお母さんがいる。お母さんとは、それまで離れ離れで暮らしていた。お母さんは体が弱いため、空気の綺麗なここで暮らしているのだ。久しぶりに会える人たちはどう私を迎えてくれるのかって考えると緊張して堪らない。でも嬉しさも増す。



私は今年から高一なんだけど、村に一つしかない高校に入学することになった。本当は…東京の学校に行きたかったけど、家の事情のため、仕方がない。





車の窓から外の景色を眺める。山だらけで、田畑だらけ、そう…小里村は田舎だ。東京と違って何もない。
これから退屈な生活が始まるんだなと思うと、先が思いやられる。
ふぅーと息を吐いた。
そんなことを思っていると、人が道のはじっこを歩いていたことに気がつく。この村に入って、初めて見かけた人だった。



白髪で…なめらかな髪——————
 瞳は金?色で…


         色白な肌…、凛とした顔立ちで背高く、
綺麗な男の人…

   薄紫の着物を身にまとったその人に私は頬を染め、
見とれていた。



胸のオトの速さは速くなる。 すると私の胸のオトに気付いたように、その人の視線は私を見ていた。きっとそんな訳ではない、私じゃなく、車を見ているのかもしれないし…。





…目が合う一瞬…





「…っ?」
私なのか、車なのか分からないけど、こちらを見て、口を動かした。私に何か話しかけている?ようだった。でも窓が閉まっているため、聞き取れなかった。そのまますれ違って、私は車の後ろの窓からその人をじっと見ていた。遠くから見てわかったのだが、その人は悲しそうな表情をし、私の乗っている車を見ている。そしてその人が見えなくなるまで、車は進んだ。







—————なぜか胸が苦しくなった…。









             続く…






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