二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 忘れないよ 第二章 ( No.99 )
日時: 2012/02/04 22:57
名前: 亜鶴 (ID: JFBEfYhr)

第四話  後半




千里は少女に操られ、深い森の中を彷徨い、森の奥にある大きな木の下へと辿り着いた。
木の根元に大きな石が置かれていた。石には不思議な紋章が描かれていた。少女はその石の目の前に立ち、後ろを振り向いて、千里の瞳を見る。


「仕事をやってもらおうか、姫よ」
「封印を解けっ!」と怒鳴るように千里に命令した。すると千里は石の目の前に立つ。そして、少女は千里に小刀を渡した。その小刀を手に持ち、自分の手のひらを切り、血が溢れたまま…石を両手で触る。一瞬にして千里の瞳は赤くなる。

「ここに封じる五つの勾玉よ、目覚めよ」と小声で唱えた。

(更新再開)
少女は気が狂った様に喜びに溢れていた。
「やったぞ…これで鬼の本来の力が戻るっ!!思えば…長かったなぁ」


「何度も…何度も勾玉を求めては、お前ら…桜依姫らに悲願を潰され——————」


ふっと鼻で笑う。
「でもこれで戻る。もう何も心配などしなくっていい。」ほっと一息した。




大きい石が嘘のようにガタガタ震え、邪悪な力が隙間から漏れる。その力は少女の元へ—————流れ着く。少女は遠慮なく、その力を吸い取っていた。


力が少女の体へと戻りたがっていた。その力は少女の体の一部と言ってもいいだろう。



「おぉ…蘇る。千年振りの力がっっ!!もっともっと力をっっっ」

「勾玉本体はこの石の中か??」とつぶやき、強烈な力が解き放たれ、石を壊そうとする。


(更新再開)

すると石の真ん中に亀裂が入る。そしてついには真っ二つに割れてしまった。
少女はしゃがみこんで、勾玉を捜す。



でも
「……ないっないないっっ!!」そこには勾玉はなかった。少女は焦った。
「どうしてだっっっ!!どうしてここにないんだっ!!」と大声をあげた。イラつき始めた。そのイラつきを千里にぶつけ、千里の首を両手で掴む。千里の体は少女の腕の力によって宙にあった。足をぶらぶら振り、苦しみ出す千里。その苦しみが千里の意識を取り戻した。




「勾玉はどこだっっっ!?」と少女は怖い顔をして、千里に問い詰めるが…苦しみながら知らないと首を振る。

「ふざけるな…桜依の血を引くものが知らない訳ないだろう!!」



「…っっ!!しっしら…ないっっ!!」無理矢理、口から言葉を出す。否定するごとに首絞める力は強くなる。



「うっっ」
((私っ…こんなところで死んじゃうのかな…嫌だよ…))頬にはしずくが伝い、死ぬ寸前に近づいていた。





千里たちが歩いてきた方向から強い風が吹いた。
その風は少女に体当たりして、刃のように少女の体を一瞬にして傷だらけにした。
「ふんっ役にたたん守護者のご登場か」とつぶやく。その直後に少女の前に一人の少年が現れた。少年は少女を睨んで、持っていた刀の鋭い先っぽを少女の首元にさしつけた。首元からは少量の血がぽたぽたと垂れる。 
「去ってください。ここをいくら捜しても勾玉はないですよ」と少年は目つきは鋭く、優しい口調で、言う。
「勾玉はどこにある?」それでもたずねる。

「僕みたいな守護者にあの人が場所を教えてくれる訳ないじゃないですか。」


「じゃあ香織とやらに力づくで聞く。」




          続く


まだ続きがあるんですが・・・今日はここまで。