二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン【トリップ】 〜夢みたいな現実〜コメ募集! ( No.12 )
日時: 2011/12/28 21:00
名前: 柳 ゆいら (ID: jIh6lVAe)

5話   「くま狩り」

とりあえずはしのげたという感じだな。わたしのまえには、もうだれひとりいない。

さっきのかかと落としで、みんなは青ざめて十秒後、即座に逃げたんだよ。

ま、べつにかまわないけど。ああやってめんどうくさい&しつこく質問されてると、ストレスたまるからな。

「でも、質問されなかったら、もう少しいてもよかったけど……。」

わたしはそうぼやくと、さっきまで雷門と白恋が試合をしていたコートを見つめた。

サッカーか……。実際目の前で見たのは、ざっと五年ぶりかな。

友だちと、よくやってたよな……。わたしも、昔はサッカー、大好きだったはずなのに……なんでキライになったんだろう……。

理由は分かってるけど、でも、まさか信じられない。だって、サッカーのせいで……いや、なんでもない。気にしないで。

零(サッカーは、べつにテレビで見るのはかまわないさ。見てるだけでたのしいから。

  でも、やるとなると別さ。自分が苦しくてたまらなくなる……。)

心の中だけでそうぼやくと、

「やあ。」

と声がした。

ビックリしてふり返ると、そこには吹雪士郎がいた。

「な、なんだ、吹雪士郎か……。」

「へえ、ボクの名まえまで知ってるんだ。」

「だって、円堂の奴らが、おまえの名まえ、呼んでたじゃないか。『吹雪』って……。」

こんなところ、朱子にバレたら殺されるけど、まあ、サッカーの話しって言えば、なんとかなるかな。

「うん、でも、下の名まえはいってないハズなんだけどな……。」

「チッ、そういうところを気にしてんじゃないわよ……。」

「え、なにか言った?」

「えっ、い、いや、なんにも……;;」

わたしはあわてて両手を振った。

いきなりだと、いくら冷静沈着な冷血人間と呼ばれるあたしも、驚くっちゃあ驚くんだよ。

「ねえ、おねがいなんだけど……。」

「なんだ?わたしがなぜあんたらの名まえを知ってるかなら言わないよ。めんどくさいからね。」

「そ、そうじゃないって。ただ……。」

「ただ?」

「……ちょっとだけ、サッカーやらない?って話し。」

「え……。」

零(ど、どうしよう、言葉が出ない……。

  わたしがサッカーやるなんて、考えたこともなかった……!で、でも、友梨は……友梨……。

  でも、サッカーをやるくらいでキレる友梨じゃないか。)

「いいよ。でも、15分だけだよ。わたしも家の人間が心配するからね。」

「分かった。ボクもきょうは、少し早めに帰ろうって考えてて、ついためしてみたくなっちゃったから……。」

「わたしを?いい度胸じゃない。」

ちょっと出任せだけど、言いたいだけ言って、本領発揮できなかったらあやまればいい……

あ、そ、そうだ。わたし、人生において一回しか、あやまった経験がない……!

友梨とケンカした後の、たった一回しか……!

友梨相手だからあやまれたんだから、さすがにイナズマキャラは……どうだろう。

五年ぶりのサッカー……。ああ、サッカーボールの感じがなつかしいや。

「で、対戦形式はどうする?」

「ついてきてくれない?」

「えっ、い、いいけど……。」

わたしは吹雪について行った。

そしてついたのは(飛ばしてすみません)大雪原。たしか、ここで遭難している吹雪と、キャラバンで走行中の円堂達があったんだよな。

「どうする気?」

「あのね……。」

「グオオォォオオ!!」

「な、なんだ!?」

出てきたのは……デカイくま!さすがにこれには、口を半開きにしておどろいた。

「クマおやじを、先に倒せた方が勝ち!」

「はあ!?ふざけてんの、こんなの倒せるわけないじゃん!倒せたとしても血にまみれてるだろ。」

後半から少し落ち着きながらいったけど、吹雪の野郎、止めようとする気配無し。

よし、ならやってやろうじゃないの、くま狩り!!