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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 絶園のテンペスト ( No.14 )
- 日時: 2011/12/28 17:05
- 名前: 睦月 (ID: WK165lPD)
Σ今さっき!?まっいっか。
辻褄
あれはいつだっけ?吉野はふと考えた。
「吉野。どうして父さんと母さんと愛花は殺されたんだ?」
真広が僕に問う。
「…警察の言う通りだろ。夜中お前の両親と妹は金銭目的の何者かに家に押しいれられ、殺されたんだ。」
真広は黙っている。…僕は続ける。
「まとまった現金がなくなっていたし、強盗殺人として捜査もされてる。」
「そういう事を訊いてるんじゃない。」
真広はそう静かに、けれど強く言った。
「父さんも母さんも普通に生活してた。愛花もいい子だった。なのにどうしてこんな風に死ぬと決められたんだ?」
……。
「その上いまだに犯人は捕まってないんだ?」
「犯人は捕まるかもしれないよ。」
「事件から10か月—いまだに手掛かり1つ、つかめていない。遺留物はない。目撃者もない。犯人が単独か複数かも割り出せていない。…捜査本部もほとんど動かなくなった。これから先、事件が進展する可能性はない。不合理だろ。」
真広が花…彼岸花をとり、握りつぶす。
「この犯人がなんの裁きも受けないなんて、辻褄が合わない。」
「まあそこが人の世のおくゆかしさというやつじゃないか?」
僕は立ち上がる。
「—で、その不合理をお前はどうするんだ?犯人を自力で見つけて自力で裁くのか?」
「ああ、そうだな。どんな手を使っても辻褄を合せてやる。」
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