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揚羽蝶　３

『…「ふわ まひろ」と名乗った。』

ふわ？龍は悩んでいた。どこかで聞いたことがあるような…？

銀色の蝶から聞こえる状況を簡単に整理するか。

１．山本っていう女は「ふわ」という人間を探している。

２．滝川は、「ふわ」の友人。

３．そして、「ふわ」はあの事件と関わっている可能性が高い。

「ふーん？」

探してみようかな。その「ふわ」っていう人間。

「何してるのかな？お兄ちゃん？」

俺は声の方を向かず答える。

「お前こそ何してるんだよ…。理李。」

「えへ♪」

理李が俺の前に立つ。

「お兄ちゃんはまだ葉風さんを探してるのかな？？」

「……。」

「忘れちゃいなよ。あんな人のことなんてさ。」

「姫は俺の生きる希望だ。」

理李はつまらなさそうな顔をした。

「あっそう。いいもん、お兄ちゃんなんて気にしてないもん。」

何が言いたいんだよ…？

「もう帰る。そうそう、「吉野」と「真広」には気をつけて。」

理李はそういうと行ってしまった。…吉野？




「——蝶は舞う。果実は飛ぶ。そして樹はまた1歩、目覚めに近づく。」

理李はそうつぶやいた。

「それにしても、吉野ってお兄ちゃんにそっくりだな〜。」

あたしは写真を見てつぶやく。

「うーん…。よーし、行っちゃおう♪」