二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.21 )
- 日時: 2012/01/07 13:14
- 名前: 柳 ゆいら (ID: jIh6lVAe)
3.本領発揮
ピーッ!
ホイッスルが鳴り響き、白チームのボールからで試合スタート。
俺はすかさずスライディングでボールを奪い、同じFWの武田にボールをパスする。だが、武田は一瞬、ボールを足でうけとめそこねそうになる。チッ、素人なんてこんなもんか。
ん? 俺、いつの間にこんなひどいキャラになった?
って、よけいなこと考えてる場合か!! 武田がDFにかこまれてるじゃないか!
ていうか、相手側のDFが上がってきてるって……どんだけなめられてるんだ、俺たち。
でも、武田はまだ俺たちの陣地。赤チームのDFはそばにいる……。
「武田、ひか……武田にパスだ!」
武「えっ……。」
「いいから早く!」
武「((ビクッ わ、分かった。影山!」
影「うん!」
輝は、武田からのボールを受け止める。
あんどのため息もついてられない。なんとかして繋げなくちゃならないんだ。
「MFは足利以外全員上がれ! 武田もついてこい!」
MFたち「おっ、おう!」
まさか上がれと言われるとは思わなかったらしく、みんなは俺の声に一瞬おくれて上がってくる。
俺は、ゴールに向かってかけ出す直前に、輝の目を見た。い、いちおうアイコンタクトのつもり。もしかしたら、さっきのことで怒ってて、輝は見てなかったかもしれないけど。
でも、心配は無用だったらしい。
輝は俺の目を見てうなずくと、織田パスを出した。それは、俺が走り出すのと同時だった。
白チームはなんの計画も立てていなかったらしく、いっきにDFが上がって行っていたし、MFはディフェンスに長(た)けていない奴ばかりで、あっさり俺にぬかれる。そして、いきなり5人も上がってきたもんだから、誰をマークすればいいのかさっぱり分からない状況だ。
「織田は豊臣にパス!」
俺が指示すると、織田の蹴ったボールは、正確に豊臣の足におさまる。
「豊臣は3秒後に徳川にパスッ!」
1、2、3。
3秒経った瞬間、豊臣は徳川にパスを出し、徳川は正確にそれを足におさめた。そして最後に、
「徳川ッ!」
呼ぶと、徳川はこちらをちらりと見て、パスを出した。
俺はボールを足で受け止めると、思い切りボールを蹴った。
蹴られたボールは、ゴールネットにすいこまれた。
〜試合終了〜
男1「だめだ〜。」
男2「もうなんも残ってねぇ〜。」
男3「俺もだ〜。」
男4「オレもー……。」
みんながヘナヘナとへたりこむ。前後半たった30分間の試合だったっていうのにな。もちろん、輝は少し息が荒いものの、いちおう立ってる。
俺はって? 俺は息切れすらしてないぜ。
そんな俺を見て、武田は、
武「おまえ、大丈夫かよ。バケモノなんじゃねえの?」
「え……。」
武田の言葉に、俺の胸がドクンッとなる。
『誰がバケモノなんかむかえにくるかよ!』
昔言われた言葉が、脳裏をよぎる。
俺は下くちびるをギリッとかんだ。
……なんで。
なんで俺はいつも、こうやってバケモノあつかいされなくちゃならないんだ……!!
武「? どうしたんだよ、月流?」
織「おまえが『バケモノ』なんて言うから、傷ついたんじゃねえの? こういう元気キャラは、案外傷つきやすいんだぜ。」
武「えっ、あ、そうだったのか、悪い! いや、悪気があったわけじゃないっていうか……
そのさ、なんか調子のっちゃって……要するに、すごいって言いたいんだけどよ……。」
織「許してやってくれねえかな? こいつ、前からこういうキャラだからさ。」
織田と武田がそう言いあう。
そんなふうに言われたら、武田責めれないじゃん。
「べつにいいよ。俺も俺で気にしすぎだよな〜。俺もそーいうキャラなんだ。」
武「ほんとごめんな!」
先「おい、おまえら、なにやってる! 集合だ!」
『ハーイ。』
〜放課後〜
輝と一緒に帰ることにしたんだ。
「輝ってさ、サッカー部入ってるんだろ?」
輝「うん。」
「ホーリーロードとか出たんだろ? テレビで見たんだ。応援してるからな。」
輝「ホント!? ありがと!」
「ちょっとだけ練習見て行っていいか?」
輝「もちろん! あ、でも参加は無理だよ?」
「わ、分かってるってそんなの;;」
それに、参加したらフィフスセクターの思うつぼじゃん。
いや、な、なんでもない;;
輝「じゃ、見ててもいいけど、参加は……。」
「分かってるっての! とっとと行ってこい;;」
輝「う、うん;;」
あいつ、心配性だなぁ。
「輝ー、ファイトーッ!」
俺は口に両手をそえて言った。
つか、なんだこの女子の数!? って、あ、あのキャプテンマークつけた人と、ピンクの髪の人のファンか。情報によればたしか、神童さんと霧野さんだよな。2年か3年だな。
神「? 影山、あいつ……?」
着がえ終わった輝に、神童さんが聞いた。
輝は両手をこぶしにして、顔の前に持ってきて、熱心に言った。
輝「それがもうすごいんです! きょう転校してきたんですけど、勉強完壁だしすんごいサッカーもうまいんです!」
神「へ、へえ……;;」
お、おい、なんか困ってないか?
輝「それに! テクニックもあるしゲームメーカーとしてもすっごくむいてるんです! 実際本気でプレイしたらどうなるか……。」
おい、なにポーッとしながらしゃべって……って、ちょ、輝、お前の後ろ!!
「輝、後ろ、後ろ!!」
輝「え?」
俺が言ってるのは、輝にせまってきているボール!
俺が呼んだことで、輝はボールに気づいたけど、やばい、間に合わない!
そう思ったときには、体が勝手に動いて……
輝の顔面スレスレで、ボールを蹴り返していた。
ああ、またやっちまった。だから男前ってよく言われる((泣
輝「あ、ありがと、ユエ;;」
神「お前、ユエっていうのか?」
おあっ、神童さんに名前聞かれた。
「俺は月流ユエって言います。輝のクラスメイトです。って、あぁっ!?」
ある人物を見つけて、思わずさけんだ俺を、輝はいぶかしげに見た。
輝「ど、どうしたの、ユエ?」
「ヤッバ! おh……家に帰らなきゃ! じゃあな!」
俺はあせりながらそう言うと、転びそうになるのをこらえて、逃げるように門から出て行った。