二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.228 )
- 日時: 2012/01/29 09:27
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
33.『水の風見鶏』
ユ(え、円堂さんたち!?)
円「大丈夫か?」
不「あとは俺たちに任せろよ。」
神「円堂監督……。」
円堂、風丸、鬼道、吹雪、壁山は、5人をベンチにもどし、傷を少しでもマシにするようにと言った。残っているのは、神童、霧野、天馬、剣城、信介、そしてユエだ。
ユ(なんだ、兄さん、昔も美男じゃん……ww)
分かっているとは思うが、ユエの言う兄とは、風丸のこと。むかしの兄のことをしれたうれしさとともに、どこかなつかしさも、不思議なことにこみ上げてきた。
風「ユエ、立てるか?」
ユ「えっ。」
風丸にいきなり声をかけられたことで、ユエは思わずすっとんきょうな声をあげた。今のユエは、その場にへたり込んでいる状態だったのだ。
ユエは少しほおを赤くしながら、スクッと立ち上がった。
ユ「だ、大丈夫ですっ。」
風「? そうか?」
ユ「はいっ。」
鬼「これで5人交代だ。」
鬼道はチームゼロの人々に言った。先ほど、大人が5人入ってきていたからだ。だが、今となっては、お互いプレイヤーの中に大人は(といっても雷門は大人昔の子ども時代に戻るという、不思議な現象が起きているが)5人。平等な立場だった。
チームゼロは、少しいやそうではあったものの、了承した。
円「みんな、サッカーやろうぜ!」
全「おう!」
ユ(円堂さんって、兄さんから聞いてたとおりの人だな。兄さんも楽しそうだし。)
ユエは心の中で微笑んでいた。
しかし、いくら一瞬安心したとは言え、また試合は再開した。またユエをねらって、こちらにボールを打ってきたものの……それは吹雪にカットされた。
ユ(いけない! なに考えてるんだ、俺!)
1度自分に渇を入れると、ゴールにむかって走り出す。吹雪から天馬、剣城、神童とパスがつながっていく。
しかし、ユエはこの先を、なんとなく予想していた。
神「ユエ!」
ユエの予想どおり、神童からユエへと、ボールはわたった。
ユエは、一瞬ですべてをさとっていたのだ。
兄のことも、みんなのことも。
コートにいるときは、みんな表情が真剣になる分、自分の考えている方向や動きになりやすい。仮にそうならなかったとしても、ユエはびみょうな相手の動きの角度や速度で、この先のことを予想するのだ。
しかし、兄のことは、コートに入ってきたあとの、自分への接し方で、なんとなく分かってしまったのだ。
ユ(もう、兄さんは、気づいているかもしれない……。)
うすうすそう思ってはいた。
しかし、ここまでとなると、もうかくしているのも、じれったいと思ってきてしまっている、ユエだった。
ユ「じゃあ、シュート技、久々に行くか。」
そうつぶやいてから、ボールを高く高く蹴り上げた。
そして、自分も跳躍した。
ユ「行くぞ……『水の 風見鶏(かざみどり)』!!」
ユエの声と同時に、ボールはゴールに向かって蹴られた。水で形どられた鳥が、水しぶきを散らしながら、ゴールに飛んでいった。
それで、風丸はハッとした。
風(あの技——!)
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?「兄さんすごいなぁ。」
風「そうか?」
?「うん。はーあ。あたしも打ってみたいなぁ『炎の風見鶏』みたいな技!」((ドゴッ ←ボールを蹴った音
キィ————ッ!!
?「あれっ? 兄さん、今の見た!? 出たよ、水の鳥出たよ!?」
風「すごいな!」
?「うん! アレはね……『水の風見鶏』!」
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「うわああっ。」
ゴールキーパーの声が、あたりに響きわたった。「水の風見鶏」が、化身さえも破ったのだ。考えごとをしていた風丸は、ハッと我に返る。
ユ「よかったぁ。何年か前に打って、そのあと打ってないから、もし失敗したらどうしようかと思ったー。」
ユエがそう言いながら、胸をなで下ろした。
風(いや、まさかな……。)
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「水の風見鶏」は、「炎の風見鶏」が元ネタですww 分かると思いますけどww