二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 歌詞公開中 アドバイスください ( No.369 )
日時: 2012/03/03 13:58
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

48.おくか、退部か



放課後。ていうことは、部活。
サッカー部だぁ。勉強より、やっぱりサッカーの方が好き!

ユ「うぉっしゃあ! サッカーだ! 勉強じゃなくサッカーだ!
輝「な、なんか、盛り上がってるね、ユエ。」
ユ「おう! だって、サッカーやれるもん!」
輝「ま、まさか、プレイヤーとしていつづけるつもりじゃ……;; だいたい、ユエはフィフスってこともあるし……。」

あっ、しまった! 言っちゃった!
バッと口をふさいだけど、もう時すでにおそし。ユエの肩は「フィフスだし。」という言葉で、ピクンッとふるえた。
どどど、どうしよう!

ユ「輝……。」
輝「は、はい……。」

思わずからだがかたまる。ユエの顔は、整った前髪に隠れて見えない。
そして、ふり返った顔は…………………笑顔だった。

ユ「なに言ってんの。俺はフィフスなんかじゃないよ。」
輝「え……。」

あ……そっか。
あくまでもかくそうとするんだよね、そりゃ……。カッコイイ言い方で言えば、スパイできてるも同然なんだから、バレちゃだめだもんね……。

輝「う、うん、ごめん……。」
ユ「……て、いうのは、ジョウダン。」
輝「えっ。」

はじかれるようにユエを見ると、ユエの目は、真剣だった。

ユ「聞いたんだろ? 兄さんから。」
輝「し、知ってたの……。」
ユ「ああ。兄さん、先生の話を聞くために、来てたんだよ。俺をいつ、風花だって突きとめたかどうかはしらないけどな。」
輝「や、やっぱり、本名は風花……。」
ユ「あたりまえ。兄さんから、そのへんも聞いたろ。……だからこそ、きょう、サッカー部に絶対行かなくちゃ行けない。判断を聞くために、な。」
輝「判断……? って、ちょっと待って!」

先に先にと行ってしまうユエを、足早に追う。
そして、ためらいもなく、みんなのいる部屋の前に立った……と思ったんだけど、ユエはその場でかたまっていた。もしかして……

輝「ユエ、もしかして、怖かったり?」
ユ「えっ、ま、まさか! そんなわけ……。」

ユエはそう言ったけど、目は不安そうだった。やっぱり、なに言われるか、不安なんだね……。

輝(もしかして、なにかまだ、秘密があるの……?)

そう思ったとたん、ウィーンと音がして、自動ドアの扉が開いた。
おどろいて、弾かれたように前を見ると、円堂監督をはじめ、多くの人が、こちらを、目を見開いて見ていた。特に、ユエに視線が集中している。

天「輝! と、だれ?」

天馬が小首をかしげた。その左腕には、キャプテンマーク。それを一別して、ユエは、全然おどろいた感じじゃない。むしろ、当然のような顔。

輝(もしかして、分かってたの? 天馬がキャプテンになること……。)

おれが考えをめぐらせていると、ユエはその整った顔をほころばせた。

ユ「俺だよ、ユエ。まあ、女子のカッコしてて、分かんないかもしれないけど。あ、そうそう。輝と剣城は知ってると思うけど、俺は女子だから。」
天「へ、へえ、そうだったんだ。」

天馬は、ちょっとあせりながら、おどろいたフリをした。だって、おれたちがユエが女の子だって知ってるのは、おれと剣城だけ。ほかの人は、風丸さんの話しで気いていたけれど、なんとなく、知らなかったフリをしていなければならない気がしていたんだと思う。
でも、ユエは、おれたちの予想もしないことを言った。

ユ「天馬、ひとつ、聞きたいことがある。」
天「なに?」
ユ「俺を…………






























































































































































































このままサッカー部におくか、強制退部にさせるか。選んでくれ。」

今まで味わったことのない雰囲気が、あたりをつつんだ。