二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 NEW:タスケテ ( No.397 )
日時: 2012/03/10 18:24
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
参照: 花粉症で目がかゆいのよ、くしゃみ出まくるのよ、鼻ズビズビなのよ((泣

55.他人を苦しませるのは、いや



まだ、アスファルトになみだのアトが残ってる。
あーあ……帰りたいなあ。授業中だし、こっそり抜け出しちゃおうかな。
……無理かなー。

ユ(あー、もうやだ〜……。)

キーンコーン……

鳴っちゃったよー、チャイム……。
来るのかn ((バターンッ  そんな唐突な!?
って、え……?

ユ「あ……





























































































   緋詞……輝……?」
輝「よかった……ハア、ハア……まだ、ユエだけだった……。」

輝も緋詞も、すごい汗。
だ、大丈夫かー?

ユ「ほら、タオル。」
緋「どっから出したかは知らねえけど、サンキュ。」
輝「あ、りがと……。」
ユ「そ、それより! なんでふたりとも……。」

俺が聞くと、緋詞はきょとん、輝は真剣な顔になった。

輝「だって、おれはユエの親友だもん。ユエがあんなこと、するかしないかくらい、分かるさ。だから、おれは、ユエがあんな事しないって、考えたんだ。だから、ユエの味方に。」
緋「さーせん、俺、分かんないんだけど。」

ズゴーッ!
緋詞いいいぃいぃぃぃいい!! じゃあおまえは、とりあえず全速力でここまできただけか!
まあいいけどよっ。

緋「悪い、悪い。」
輝「じつはね……。」
(カクカクシカジカ)
緋「ああ、そーいうことか! そりゃ、たしかにその、えっと……「変わります(川戸のつもり)」? の策略だな!」
ユ「か・わ・べ! だろ。」

どうしたら「川戸」が「変わります」にきこえる!

緋「うーん、それをサッカー部に見られたのか……。こりゃ、どうやって信頼をとりもどすかは、かなりの難問だな。」
ユ「難問・注文・レッツチャレンジ!」
ふたり「!!?」
ユ「いや、ちょっとでも、場をなごませようと思って。」

俺の発言に、緋詞は大爆笑しはじめ、輝はクスクス笑う。
おう! そういうのをねらってたんだ!

ユ「あ、そうだ。ふたりとも、ちょっと耳を貸して。」
緋「?」
輝「なに?」

輝と緋詞は、俺の作戦をきいて、ちょっと不安そうな顔をしていた。


     〜5分後〜


川「やほ〜♪」

出たな、ストーカーならぬ川戸! ……ストーカーww

川「次はぁ、ナイフにしてあげようと思ってぇ。」

おい、アホか、おまえ。それぬた。アーユーオーケー?

川「はい、どーぞ♪」
ユ「えっと……。」
川「あ〜!」

なんともワザトらしい! 投げるな!
って、ちょ、やめ……マジメに手で取れないって、このぬた!

ユ「わあっ!」

ドスッ……という、にぶい音。
腕に走る、すごい激痛。
タラリと流れた、ぬるい液体。
けっこー痛いんですが。

ユ「ててて……。」
川「な、え、ちょ……。」

予想外という感じで、俺を見ている。いや、俺も予想外だから。計画台無しだから。むしろ今ふざけんなって感じだから。

ユ「いっでー……。」
?「ちょ、話しってなにっ。」

あ、きたきた。
まあ、まだとびらの向こうだけど。

ガチャッ

って、おまえらどんだけ歩くの早いんだ! 声が聞こえて1分とたってねえぞ!
天「なっ……ユエ……?」

オーワーター(\^▽^/)やびゃあ!

霧「どういう……。」
川「ち、違うの! これは、彼女が私がやったようにしむけるために……。」

なーっ! おまえよくそういうことが言えるな、おい! 前回は、逆の立場でしたよね、ね!!?

輝「大丈夫!?」
緋「血の滝みたいだぞー。」
輝「ちょ、緋詞君怖いこと言わないでよっ;;」

おまえらの会話に笑いたくなるんですがww
まあ、無理も無いけど。おまけに、これでもけっこう痛いww 見えないでしょ、痛そうには。

輝「わっ、こ、ここ、包帯巻いてあるケド……?」
ユ「えっと、それは、えと……。」
緋「この間、女子軍にやられたやつじゃん! 同じところに刺さったのかよ!」

緋詞いいぃぃいぃぃぃいい!! おまえ、声でかい! つか、超天馬がいぶかしげな顔でこっち見てるだろ——ッ!

天「え、それって、いったい……?」
川「天馬君、信じて! 彼女が……。」

またもや、川戸泣きに入る。
……泣きでだまされちゃえば、いいんだけど。
でも、緋詞がつっかかった。

緋「ちがう。むしろ、逆だ。川戸たちが月流をいj ユ「なに言ってるんだよ、緋詞!」は!?」

俺がさえぎると、緋詞は声を上げた。

ユ「お、俺がいつ、いじめられたんだよ。その、今回は……そう、川戸がたまたま持っていたカッターナイフが宙に飛んで、腕に刺さっただけで……よけなかった俺が悪いんだって。」
輝「それより、手当、手当! 保健室に……。」
ユ「それもダメ。また川戸がケガしたかと思うじゃん。俺なら、その……そう、外の水道場で、腕洗ってくるから。」

俺は無理に笑った。
こんなの、全部でたらめ。
でも、川戸がもし、俺に危害をくわえてたってしられたら。
もしかしたら、川戸が俺とかわりばんこみたいに、いじめられたり、ハブかれたりするかもしれない。
そんなの、絶対いやだから。
だから、自分が犠牲になってでも、うそをつく。
もう、他人を苦しませるのは、いやだから。

ユ「じゃ。」

俺は右腕のカッターナイフを抜き取る。取る瞬間、激痛が走り、片目を強くつむる。
「これも洗って、返すな。」と言って、俺はサッカー部の間をかきわけて、階段を下りた。
ふり返らずに。


     三人称


緋「……おまえら、それでもサッカー部かと思うと、あきれてものも言えないな。」
霧「なんだとっ。」
緋「これまで一緒に戦ってきた仲間より、泣いているだけのクラスメートの方を信頼するなんてな。行こう、輝。」
輝「失礼します。」

輝は頭を下げると、緋詞と一緒にサッカー部の間をかきわけて、ユエを追いかけた。


『今、爆発1時間20分前』