二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 NEW:タスケテ ( No.399 )
日時: 2012/03/11 11:56
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
参照: 花粉症で目がかゆいのよ、くしゃみ出まくるのよ、鼻ズビズビなのよ((泣

56.チップ



俺は、階段を駆け下りながら、血がしたたって、ゆかに落ちるといけないからと思って、腕にギュッと布で、傷口をしばった。それでも、布はすぐに赤くじんわりと染まりはじめる。

ユ「ハアッ……ハアッ……ッ……。」

どうか、今の顔が、だれにも見られていませんように。
どうか、今、俺のとなりを、だれも通りませんように。
そんなことを、心の中で願いながら、階段を駆け下りた。
絶対に止まらない。
絶対に顔を上げない。
見せたくない。

ユ「もう……やだ……。」

俺は、階段に腰かけた。気がつけば、そこは、屋上までつながる階段だけど、その最下階は、ひみつで地下につながっているらしい。
その地下室に、ほんとうに来てしまったみたいだ。プレートに「雷門中 地下室  ※立ち入り禁止」と書いてある。
立ち入り禁止……。なにかひみつでもあるのかな。
コンクリートの階段で、おしりがひんやり冷えた。
ひざに顔をおしつける。でも、ひざの間から、ポタリ、ポタリとなみだがゆかに落ちた。
もう1度、やりなおしたいと思ったのに……やりなおせるチャンスだったのに……
なんで、逃しちゃったんだろう……?
こういうとき、お人好しって、こまるのかな。

ユ(また……。)

…………また?
なんで、今、「また」なんて思ったんだ?
いじめにあったことはない。
ましてや、したことさえない。
じゃあ、なんで「また」なんて思ったんだろう……。


     〜in友撫の病室〜


友「お兄ちゃん、見つけた!」
風「なんだって!?」

友撫の声に、お兄ちゃんはかけよった。友撫の右手には、人さし指サイズの、小さいチップ。

風「これ、どこに……。」
友「お母さんからきた封筒に入ってたの。手紙には、これの中に……
















































































































































   お兄の記憶が入っているみたいなの。」


『今、爆発1時間10分前』