二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナGO〜なくしたくない物〜 NEW:希望 ( No.431 )
- 日時: 2012/03/24 19:50
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/kakiko1332389297627.png/img/
62.寝坊……ではなかったみたいです
アマノミカドスタジアムに行く、だいたい15分くらいまえ。
天馬が、そわそわしながら言ってきた。
天「ユエ、おそいね……。」
輝「うん……きのう、ユエの家に行ったとk 天「ええっ、ユエの家に行ったの!?」へ? う、うん。」
どうしたんだろ、天馬。いきなりビックリして……あ。
そっか。ユエ、あれでも(←失礼だろ、それ)女の子だもんね。女の子の家に行ったこと、天馬、ないのかな。普通ないとは思うけど。
輝「なんか、おれたちが来て、少ししたらきゅうに『病院——ッ!』ってさけんで、家を飛び出しちゃったよ。それもおおいそぎで。」
天「病院って、あの総合病院かな? まだ、治ってないのかな、病気。」
輝「4年前からずっとだって言ってたけど、原因も分からないみたいだしね。治しようがないんじゃないかな。」
剣「あいつのことだ。寝坊でもしてるんだろ。」
信「そーそー。ユエって、どっかぬけたところがあるもんね〜。」
ちょ、信介がそういうこと、言えないと思うんだけど(←またまた失礼なッ)
でも、そうかも。たしかにユエって、どこかぬけたところがあるし、口を開いて出て来た言葉に、思わず拍子抜けすることも、けっこうあったしなぁ。準々決勝の日だって、きょうじゃないけど、ほんとギリギリの5分前に来て、なにがあってのってきいたら、友撫ちゃんにしごかれてたとかなんとかって。
輝「やっぱり、寝坊……なのかな。」
天「そ、そうだよ、きっと! ……あれ? 輝、メールじゃない?」
輝「へ?」
ポケットがプルプル小刻みにふるえてる。あ、この曲、「ビリーヴ」だ。そういえば、ユエにもう1度歌ってもらったとき、こっそり録音してたんだっけ(ぇ)
輝「だれからだろう……?」
ケータイをパクンと開き、左下に表示されている便せんマークのところで、決定ボタンをおすと、画面が一瞬まっ白になり、これまで受診したメールがあらわれた。その1番上に、見たことがないけれど、だれが送ってきたか、分かるメールがあった。だって、アドレスはこんなだよ?
『○○○○@geturyuuyue』(実際こんなアドレスはないし、てきとうです)
わかりやすすぎるよ。「@」のあとに、「月流ユエ」って書いてあるんだもんww フルネームだしっww
でも、どうしたんだろう? おれのところにメールしてきたことなんて、1回もなかったのに……。
ユエから来たメールのところで決定ボタンをおし、メールを確認する。きっと「寝坊した——っ!」って感じのメールだとは思うけど。
ちょっと内心笑いながらメールを読んでいって、からだがかちんとかたまった。
『相手:影山 輝
添付:なし
内容:試合行けないかもしんない。
青山先輩試合に出られるようきいといてくれ。俺の代わりに出てもらいたいんだ。元々は、青山先輩のいるところなんだからな。』
これって、つまり、決勝には出れない、ってこと……?
天「だれからのメールだったの?」
輝「ユ、ユエから……。」
天「どんな内容だったの?」
輝「こ、これ……。」
プルプルふるえる手で、天馬にケータイを渡す。剣城ものぞき、信介は見えないからピョンピョンジャンプ。でも、見えてないみたい。
メールを見た天馬と剣城の顔がどんどんこわばっていき、それを見て、信介もあまりいい知らせじゃないことを理解したみたいだ。
天「こ、これ、今さっき受信した……んだよね?」
剣「どういうことだよ……月流から、きのう、なにかきかなかったのか?」
輝「う、ううん、なにも……。」
信「ど、どうしたの?」
おれたちがかたまっていることの意味が、あまり分かっていない信介が、顔をしかめながら聞いてくる。
天「ユエ、出られないかもって……。」
信「で、でも、ユエの場合、こういう悪い意味の『かも』って、たいてい『その通りになる』ってことが多い……よね……?」
みんなの顔が、いっきに険しくなる。自分の顔が、どんどん引きつっていくのを感じていた。
あ、そういえば……
『みんなと一緒に、決勝には行けないかもしれない。』
ユエ、こんなこと言ってたような……。
ほんとうに、決勝に出られないなんて……。
輝「……ユエ……。」
天「とりあえず、円堂監督に話しに行こう。青山先輩も、見送りで来てくれてるし。ね?」
輝「うん……。」
ユエ……なんで決勝、出れないの?