二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.60 )
- 日時: 2012/01/09 19:04
- 名前: 柳 ゆいら (ID: jIh6lVAe)
9.友撫と『ヒミツ』
「友撫、おそくなってごめん!」
俺は友撫の部屋を見つけると、すぐに入ってこう言った。
友撫は俺を見ると、ほおをぷうっとふくらませる。
友「ほんっとだよ! 友撫、すんごく待ってたんだよ、シスコンお兄を!」
「友撫、その言い方よそう?」
友「いy ユ「よ・そ・う(^言^)」は、はーい;;」
「ていうか、友撫大丈夫なんだよな? 治療はちゃんと受けてるのか? 点滴(てんてき)は?」
友「もぉ。お兄は心配しすぎだよ。だいじょーぶ。ちゃんと受けてるから。」
「な、ならいいや。」
俺はホッと胸をなで下ろした。
友撫は俺の妹なんだ。小1のときにすてられたって言ったけど、あのとき友撫はたしか……年中さんだったな。そう考えると、両親が極悪人に感じられてきてしかたない。
なんてことはおいておいて。
「つーか、友撫、体動きそう?」
俺が聞くと、友撫はあっさり首を左右にふった。やっぱりか……。
「やっぱり、足だけでも動かしたい、よな……。」
友「お、お兄が落ちこんでどうするのっ;; ……友撫、お兄の元気さのおかげで、ずっと支えられていたのに……。」
「えっ、あ、そうだったの?」
友「そうだったの? じゃなーいっ! お兄のバカ! あーいうこと言って損した!」
友撫はふいと横を向いた。でも、首より下は、まったく動かない。まあ、このことはあとで話すよ。
「にしても、屋上から落ちるとか……ほんっとにおどろいたよ。」
友「うん、友撫も……。でも、なんて言ったっけ……亜衣ちゃん? だっけ。あの子、なんで友撫をいじめたりしたんだろう……。」
「友撫、いじめに理由なんて、ないんだよ……。」
友「お、お兄?」
そう。友撫がなぜ首より下を動かさないのか。
それは、学校のいじめにあっていた友撫は、屋上に呼び出されて、うっかり落とされたらしい。最終的には、なんとか一命は取り留めたけど、
体が首より下が動かなくなってしまったんだ。
その知らせを聞いたときは、ほんとうにおどろいたよ。たしか、小3になる2日前のことだったから。……ほんとうにいやな始業式だった。
あの学校の中に、今もまだ、友撫をつき落とした人がいるのかと思うと…………やりきれない気持ちになった。
友「で、でもっ、メソメソしてても、しかたないよね!」
友撫は、ニッコリ微笑んだ。ほんとうは、いちばんつらいはずなのに……。
でも、ここであわせないと、友撫がほんとうに笑わなくなってしまう。
俺も、ニヤッと笑ってみせた。
「ああ、だよな。」
友「そういえば、治療費とか、誰が払ってくれてるんだろうね? お兄じゃないよね? じゃあ、いとこのお兄?」
「((ドキッ えっ、あ、ここの院長さんのご好意で治療してくださってるんだってさ。いい院長さんだよね。」
俺は引きつり笑いになったかも、とあせりながら返した。
言えるわけないよな。最大の『ヒミツ』を。
…………………………でも、治療を受けていないと、友撫は……。
「さあ、俺はもう戻らなくちゃ。」
友「えーっ、なんでぇ!?」
「だって、じつは俺も、症状があらわれちゃって……うん。だから、まだ検査を受けなきゃならないんだ。」
友「ふうん。分かった。がんばってね!」
友撫は、俺が出ていくまで、手をふっていた。
俺が出ると、神童さんたちがかけ寄った。
神「さがしたんだぞ、月流。」
「す、すみません;;」
神「ほら、もどるぞ。」
「はい。」
俺は、三人に護衛されるようについて行った。
(三人称)
じつは、神童たちは扉ごしから、友撫とユエのやり取りを聞いていたのだ。友撫とユエのことを聞きながらも、なんとなくユエがシードを抵抗せずやっている理由が、分かった気がした。
剣城と似ているように思えたから。
だが、このことは、ユエには言わないことにし、鬼道には言うことにした。