二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D・Gray-man 〜銀色ノ死神ハ天ヲ舞ウ〜 コメ募集中! ( No.36 )
- 日時: 2012/01/18 17:31
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: 3000字以上ってあるんだね・・・
第三夜 「黒の教団」
「はあ、はあ」
白髪という奇妙な髪の色をした少年が断崖絶壁を登っていた。周りには無数のコウモリ型のゴーレムたちが辺りを飛び回っている。
「な・・・なんでこんなトコにあんなもん建てたんだ」
少年はついに登りきり、地面に座り込む。
「はーーーーー、はーーーーー。や・・・やっと着いた・・・。
エクソシスト総本部・・・黒の教団」
断崖絶壁にそびえ立つ巨大な塔を目にし、少年は呟く。
少年の名は、アレン・ウォーカー。白髪と、額に星型の模様。それに奇怪な左腕をもつ、ふしぎな少年だった。少年は左腕に『対アクマ武器』を宿す、エクソシストだった。
「・・・・・・かな?」
巨大な塔を見て、アレンは苦笑いする。
「話には聞いてたけど、なんてゆーか雰囲気あるな・・・。ここだよね。ティムキャンピー?」
アレンは隣でパタパタと飛んでいる金色のゴーレム、ティムキャンピーに聞く。
「とにかく行ってみるか」
ゴクッと唾を飲み、背負っていたカバンを持ってアレンは歩きだす。その様子を周りを飛んでいる黒いゴーレムがとらえていた。
「なんだいこの子は!?」
ゴーレムを透してアレンを見る男、コムイ・リーは叫ぶ。コムイはベレー帽をかぶり、メガネをかけていた。そしてコーヒーをすする。
「ダメだよ部外者入れちゃあ〜〜。なんで落とさなかったの!?」
「あ、コムイ室長。それが、微妙に部外者っぽくねーんスよね」
ツンツン頭のリーバー・ウェンハムが背後に立っていたコムイに気づく。
「ここ見て、兄さん」
コムイの妹である黒髪の美少女、リナリー・リーが画面に映るアレンの隣—————ティムキャンピーを指差す。
「この子、クロス元帥のゴーレム連れてるのよ」
「!」
「すいませーーーん」
アレンは巨大な門の前で自分を映していた黒のゴーレムに向かって話す。
「クロス・マリアン神父の紹介で来た、アレン・ウォーカーです。教団の幹部の方に謁見したいのですが」
「元帥の知り合いだ!」
「あの人生きてたのか」
後ろでざわざわと騒ぐ科学班一同。リーバーは右耳にイヤホンをあてながら、背後のコムイに聞く。
「『紹介』って言ってますけど、室長 何か聞いてます?」
コムイはコーヒーをすすりながら一言。
「・・・・・・・・・・・・知らない」
「あれ?」
呼びかけたゴーレムから反応はない。すると返事が返ってきた。男の声だ。
『後ろの門番の身体検査受けて』
「え」
後ろを見ると、門に巨大な顔があった。
「・・・・・・・・・・・・」
門番は無言のままだった。なのでアレンは一応、会釈する。
「・・・・・・・・・・・・どうも」
すると急に門番は、ぐおっ、と前にとび出し、アレンを見つめる。
(ひっ)
その威圧感に思わず竦んでしまうアレン。すると急に門番は目を光らせ、その光をアレンに当てる。
(レントゲン検査!アクマか人間か判別!!)
「わっ」と急に光に当てられ、驚くアレン。しかし、門番の目には砂嵐が掛かったようによく見えないでいた。そんなアレンは「?」とはてなマークを浮かべている。
(映らない?バグか!?)
しかし、焦っていた門番の目にあるモノが映った。「!!」と、アレンの額に映ったモノを見て、門番は
驚く。そして、目を×マークにし、『ブーーーー』という音を出す。そして門番の・・・
「こいつ、アウトォォオオ!!!」
と、いう絶叫が教団中に響き渡った。
もちろんコムイたちの居る場所にも、あるエクソシストの耳にも、そして
ある少年にも・・・・・・
「〜〜ッ!!何、今の声は!?」
少年らしき人は思わず耳を塞いでいた手を離す。
そして少年は辺りを見回す。その部屋には何もなかった。いや、ある鏡以外、何もなかった。少年は途方に暮れ、大声をあげる。
「そして、ここは・・・・・・どこぉ〜〜!!」
〆 1月17日