二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲物語〜歌の世界を君に〜【只今悪食娘コンチータ執筆中】 ( No.10 )
日時: 2012/01/10 20:25
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

【悪食娘コンチータ】


さぁさぁ、前回の続きのお話と参りましょう。
今年に入ってバニカお抱え15人目のコックがおりました。
その日の晩餐も、何時もと変わらぬ身の毛もよだつ料理ばかりです。
15人目のコックが、バニカの晩餐中に部屋に入り言いました。

コック「そろそろお暇を貰えませんでしょうか?」
バニカ「・・・」

バニカが食事する手を止め、コックをまじまじと見ました。
そしてそのコックを見透かすかのように見つめた後、コックに言ってあげたそうです。

バニカ「良いわぁ」

その瞬間頭を下げていたコックがぱっと顔を明るくしてバニカの方を向きました。
だけれどその表情はまた一瞬にして凍りつきました。
バニカは笑ってはいるけれど、眼が笑っていませんでした。

バニカ「まったく使えぬ奴等ばかりね」

バニカは呆れ半分な口調で言いました。
そう言った後、今宵も両脇に従えているリンとレンがコックの前に来て言ったそうです。
あの言葉を。

リン・レン「敬い称えよ。我等が偉大なコンチータ」
レン「裏切り者には報いを受けていただきましょう」
バニカ「食らいつくしてあげるわ。この世の全て」

今宵の館からは、コック悲惨な悲鳴がよく聞こえたと言います。
そして何分くらい経ったでしょうか。
リンとレンが大皿を持ってきて言いました。

リン「こちらが2品目のメインディッシュで御座います」
レン「バニカ・コンチータ様のお口に合うよう調理致しました」
リン・レン「新鮮なうちにお食べ下さい」

そう言って、また所定の位置に戻りました。
その大皿には七面鳥のような肉焼と、スライスされた生肉が置いてありました。
その隣には、青白く輝く毛髪のサラダがあったと言います。

バニカ「今日のメニューは特別製ね。この毛髪・・・オードブルのサラダに丁度良いわぁ❤」

バニカは今夜の晩餐も骨の髄までしゃぶり尽くしました。
それでもやはり、バニカの胃袋は一杯にはなりません。
今宵はどう乗り切りましょう。

バニカ「足りなければ、おかわりすればいいわ」

にっこりと微笑み、隣に居た召使の腕を掴みました。
召使はバニカの方を向き、何の御用か尋ねました。
バニカは微笑みを崩さないまま言います。

バニカ「ねぇ召使さん。貴方・・・どんな味がするかしら?」
レン「・・・嗚呼、バニカ・コンチータ様・・・今宵の晩餐も足りなかったのですね」
リン「バニカ・コンチータ様の為ならば、たとえこの身に変えてでも・・・」
リン・レン「ご満足頂ける晩餐を作り上げてみせます」

そうしてリンとレンは、何も持たずにキッチンへ向かったと言います。
さぁ、2人はどうなってしまったのでしょうか。
まだお話はありますが、今宵も此処でおしまいに致しましょう。
バニカは空腹です。
バニカに見つからないうちに帰ってくださいね・・・。