二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲物語〜歌の世界を君に〜【秘蜜〜黒の誓い〜】 ( No.31 )
日時: 2012/01/28 22:47
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

【秘蜜〜黒の誓い〜】


羽を堕とした堕天使が居た。
その堕天使は汚れた契りに身を委ねてしまう。
愛し合った過去さえも、自ら消し去ってしまった。

傷ついた迷子の天使。
オレンジ色に染まりかかっている夕暮れの街を彷徨っていた。

?「此処・・・何処ぉ?」

ぺたんと地面に座り込んだ。
彼女の背中には真白な羽がついていた。
街の端、しかも人通りが少ない道に座り込んでいる彼女は、やけに明るい印象を与えていた。
そこに、黒い服を着た女が通りかかる。
座り込んでいる彼女が眼に留まると、直に駆け寄った。

?「如何したの?大丈夫・・・??名前は?」
リウ「リウ・・・私はリウ。貴方・・は?・・・・・!」

リウは名乗った処で顔を上げた。
そして眼を見開く。

ミアム「ミアムよ、リウ。さ、どうぞ」

ミアムと名乗った彼女は優しい笑みを浮かべる。
ミアムは黒い服を纏った彼女は、綺麗な瞳を持っていた。
リウはその瞳に吸い込まれていく感覚を覚えた。

リウ(何て美しい瞳なの・・・!!)

ミアムが手を差し出す。
恋に堕ちた哀れな天使。
リウは許されぬ想いが募るままに禁忌の箱を開けてしまった。
リウはミアムの差し出した手に躊躇しつつ、手を握った。

リウ「ありがとう・・・」
ミアム「どういたしまして♪」

顔を真赤にしながら言う。
ミアムの顔をまともに見れていない。
求めたモノは笑顔の裏に隠された禁断の果実。

リウ(ミアム〔人〕と私〔天使〕の恋は禁忌)

許されない恋を叶える為に。
リウは考えた。
そして出た答えとは。

リウ「全てを壊すだけ」

リウは汚れの無い心を持っていた。
というか、リウは汚れを知らない。
何もかもが真白なリウが心を投げ捨ててまでミアムと共に居たい。
その想いは日に日に積もり積もって大きくなって行く。
ミアムを愛して行けるなら、ミアムを愛して生きていけるなら。

リウ「天使の証であるこの羽なんか、いらないわ・・・」

天使の証である羽を切り捨てて。
悪魔にでも身をゆだねようとまで考えていた。