二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲物語〜歌の世界を君に〜【秘蜜〜黒の誓い〜】 ( No.35 )
日時: 2012/02/08 22:06
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

【秘蜜〜黒の誓い〜】


ある日のこと。
ミアムの家にリウが居た。
2人共机を挟んで、向かい合って座っていた。
ミアムは、リウが暗い顔をしているのを見て、不審に思った。

ミアム「リウ、どうかしたの?」
リウ「・・・今日、此処に来たのはね・・・」

ミアムの問いに、リウがぽつぽつと話し始めた。
リウは下を向いていたが、意を決したかのように、ぱっと顔を上げる。
その瞬間に、2人の視線が絡み合う。

リウ「貴女に、お別れを告げに・・・来たの!」

ミアムは、一瞬驚いた顔をした。
状況がよめていないようだった。
今にも泣きそうな声で言ったリウの言葉。
リウは、天使と人間の恋が禁忌な事を話す。
そして、自分がその禁忌を犯す為にしてしまったことも。
それを聞いて、ミアムが絶句する。

ミアム「だ・・・だけど・・・そんな事をしたら、リウ・・・貴女は」
リウ「そう。天使の羽を失って・・・何れ消えてしまうかもしれない」
ミアム「嫌よ!私の前から貴女が消えるなんて!」
リウ「仕様が無いの、分かってくれる・・・?ミアム」
ミアム「だけど・・・!」

ミアムも泣きそうだった。
リウは、すっと、席から立ち上がる。
そして、玄関側に居るミアムの傍まで寄った。
そっと背中に手を置く。
ミアムは震えていた。

リウ「私もずっと一緒に居たかったよ、ミアム・・・」
ミアム「私もよ・・・」
リウ「ごめんね。・・・さようなら」

リウが『さようなら』と言った瞬間に、リウは居なくなった。
ミアムは焦って家の中を見渡す。
そのには誰も、何も無かった。

ミアム「リウ・・・・!うぁぁああ!!」

ミアムは泣いた。
その声は、家の外まで、何処までも聞こえていた。
ミアムとリウが初めて会ったあの場所でも。
だけれど、リウ自身に届いたかどうかは、分からなかった。
ミアムは、何時までも泣いていた。