二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲物語〜歌の世界を君に〜【秘蜜〜黒の誓い〜】 ( No.44 )
日時: 2012/03/10 17:11
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

【秘蜜〜黒の誓い〜】


ミアムは今、黒いドレスを纏って教会にいた。
昼間に教会に居る人は少なく、今はミアムだけだった。
が、その時「ギィィイイ」と音をたてて教会の扉が開いた。
ミアムが驚いて振り返る。

?「おや、珍しいな。こんな時間に人が居るなんて」

金色の髪をもつ少年だった。
少年はコツコツと歩いてきて、天使像の前で手を組み、祈りを捧げた。
そして祈り終わると、ミアムの方に向く。
だけれど俯いて笑い顔をつくった。
その笑顔は、ミアムからでも見えた。
少年は、今にでも消えてしまいそうな儚い笑顔を浮かべていた。

?「初めまして、黒を纏ったお嬢さん。俺はレウ。君は?」
ミアム「私は…、ミアム」
レウ「そうか。宜しくな、ミアム」

少年がぱっと顔を上げる。
ミアムと視線が絡んだ。
その時ミアムは、一瞬でレウが好きになったと悟った。

レウ「君はこれから暇?だったら俺と遊ぼうよ」

レウがミアムに手を差し出した。
ミアムはレウの手を出し、握った。

ミアム(神様、お許し下さい…。リウ、御免ね…)

許されないという想いを胸に秘めながら、レウに付いて行った。
だけれど彼女が手に入れたのは、焦がれ続けていた欲望の果実だった。
レウとミアムは仲良くなっていった。
ついには、互いの熱を求め合い、奪い合った。

レウ「君の全て、俺に頂戴?」
ミアム「勿論よ、レウ…」

ミアムは、リウと交わした筈の清らかな誓いさえも、レウと侵していった。
ミアムの中では、リウと繋ぎあった過去はもう何でもないものに変わっていた。
リウとの思い出を粉々に消し去り、後悔はしていなかった。

ミアム「もう、貴方に溺れて堕ちていくだけよ」
レウ「ああ。俺もだよ」

ミアムとレウは笑いあった。