二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キョンの消失 ( No.1 )
- 日時: 2012/01/08 20:47
- 名前: デストルドー (ID: COM.pgX6)
〜プロローグ〜
11月、僕たちは二度目の文化祭を迎えようとしている。僕はわりかし催しは好きな方ではあるが、そんなことに現をぬかしている場合では無さそうだ。僕はこれから行わなければならないことに大きな躊躇いを感じつつ、僕は旧館にある文芸部部室に歩を進めている。
「おや、あなただけですか」
「悪かったな、俺だけで」
「んふ、むしろ良かったです」
僕がこう言うとすぐに、
「どういう意味だ、気色悪い」
と、常套句が返ってくる。
「ふふ、いえ、失礼。ただあなたにお話ししておきたい事案があるのでね、彼女が、いや、彼女たちがいたのでは少々話しにくいことなのでね」
「またアイツ絡みか」
「流石ですね、もしかしてあなたには超能力があるのではないのですか」
「……笑えないぞ」
「んふ、冗談です」
「冗談を言うならそれに見合った表情があるだろ、第一、おまえが話がある、といって俺に聞かせた話は九割九分アイツが絡んでいる」
彼はめんどくさそうに言う。しかし、その表情と裏腹に、彼は事態の解決に協力してくれる。所謂天の邪鬼という性質なのだろう、現代風に言うと、「ツンデレ」とでもいったらよいのだろうか。
「おい、そこはかとなく俺のことを馬鹿にしているだろ」
「おや、どうしてです」
「なんとなくだ、なんとなく」
「ふふ、やはりあなたには超能力者の素質がありそうですね。僕より適任かもしれない」
「おい、それはどういう意味だ。やっぱり馬鹿にしてたのか」
彼とこうして普通の会話ができるのは平和な証拠であり、僕が転校してきた当初、彼と初めて話したときは想像していなかったことでもあった。
「冗談はここまでにして、本題に入りましょう。手短に言います。よろしいですか。」
彼はまた面倒なことが始まるのかといった落胆の表情をうかべながら、
「……はあ、またか」
と、イエスととっていいのかノーとっていいのか解らない返事をよこした。すると続けて
「まあ、もう慣れたさ」
といった。
「そうですか、それは良かった。では話すとしましょう」
「あなたは後一週間で死にます」
僕はなるべく明るく、日常会話となんら変わりない調子で言葉を紡ぐよう努めた。