二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キョンの消失 ( No.15 )
日時: 2012/01/09 11:19
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: xPOeXMj5)



〜間章〜






僕は足早にマンションのエントランスを出ると、道路に止まっている黒塗りの車に乗り込んだ。

「古泉、任務はこなしたわね?」

「……ええ、もちろん」

「そう、それならいいわ」

僕に声をかけたのは、助手席に座っている森さんだ。僕が座っている後部座席の方に振り向き、微笑みながら隙のないオーラを飛ばしている。

「あなたがあんな行動をとるとは驚いたわ。一応忠告しておくけど、次はないと思った方がいいわね。正直次は庇いきれない」

「はい……先ほどは取り乱して申し訳ありません。反省しています」

「本当に反省しているの?」

すると、運転席から、

「おい、その辺にしといてやりなさい。そんなにボロボロになった後、任務までこなしてきたんだ。もう疲れているだろう。古泉ももう分かっただろう。こんなことはもうしないさ」

優しいテノールで諭すように話すのは新川さんだ。

「まあ……そうね、もうやめておきましょう」

ここは素直に助かったと言っておきたい。ありがとうございます。森さんは怒るとなかなか厄介だ。メイドのときののように穏やかであったらいいのに。

僕は先程反省していると言ったが、半分本当で、もう半分は嘘だ。森さんに迷惑をかけたことには反省しているが、僕はそうやすやすと行動を改める訳にはいかない。

そんなことを考えていると、

「古泉、例の作戦決行は早まるかもしれないわ」

「……!なぜです?」

森さんは呆れたように、

「あなたが余計な行動をとったせいでね。それから、他の組織内でも段取りとは違うことが起きてしまったようなの。イレギュラーな行動をとったのはあなただけではないようね」

「……そうですか」

僕は焦っていた。元々勝算が低い作戦だったのが、さらに厳しくなった。ミッションインポッシブル。どうやら僕以外の人も失敗に終わったようだ。だが、ここであきらめる訳にはいかない。僕は約束は守る方だ。




─────それが「機関」にとって好都合なことなのだとしても、僕は一度だけ「機関」 を裏切ってあなたに味方します。僕は「 機関」の一員ですが、それ以上にSOS団 の副団長でもあるのですから。