二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キョンの消失 ( No.5 )
日時: 2012/01/07 22:28
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: GUeCGhoP)

で、現在俺は家にいるわけだが、古泉にもっと詳しく事情をきかなかったことを後悔し始めている。夕飯もほとんど喉を通らず、風呂に入ってもしっかり体を洗ったかどうか定かでもないが、少しリフレッシュしたらしく思考回路がまともに機能し出した。ここで後悔の種が芽をだしたのだ。今手元にある情報は、俺が死ぬのは一週間後であり、規定事項であること。そして、その原因の根本はハルヒであること。こんなもんか。この情報で何か仮説を立てるのは凡人にはあまりにも酷ではないだろうか。まあ、情報供給を断ったのは俺なんだが。一度断ってしまった以上、あちらからアプローチをかけてくれないと聞きにくい。古泉は気にしないかもしれないが、俺が気にする。やれやれ、死ぬっていうのに暢気なもんだ。


いや、待てよ。古泉は確か長門にも事情を話したと言っていたな。『機関』が長門よりも情報を先取りするとは思えないし、仮にそうだとしても長門は今には情報を収集していることだろう。それに、古泉を信用しない訳ではないが長門から詳しく事情を聞いておきたい。急にお前は絶対死ぬと言われたら仕方のないことだろう。急に聞かされたら絶望するかもしれんが、ブラックアウトは二度経験ずみだからな。

正直なところ、このままでは不安で寝るどころではない。

机の上のデジタル時計に目をやる。
午後8:45分、まだ補導はされないな。
俺は携帯電話を手に取ると長門に電話をかけた。

prrrrr……ピッ
「……なに」

感情が薄い声が聞こえる。

「ああ、ちょっと相談したいことがあるんだ。今から言っていいか?」

数秒の沈黙の後、

「……いい」

「ありがとう。今からすぐ向かう。」

「……分かった」

「じゃあ、後で」

「……」

この後俺が何にも行動を起こさないと永遠の沈黙が続くので俺から切った。
俺はパジャマから普段着に着替えるとコートを羽織り、携帯電話を持って外へ飛び出した。

自転車をこいでいる間、いくつか疑問が浮かんだ。そりゃまあ疑問だらけなのは始めからなんだが、明確な疑問がいくつかうかんだ。長門に聞いてみることにしよう。数十分こぎ続けると見覚えのある高級分譲マンションのエントランスにたどり着いた。