二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キョンの消失 ( No.9 )
日時: 2012/01/08 16:52
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: COM.pgX6)

「んふ、話が大分それてしまいましたね。本題に戻すとしましょう。」

古泉は続ける。

「今回の問題の始まりはまず、凉宮さんが団活に来なくなったことだと思いますか?」

たぶんそうなんじゃないか?

「いえ、恐らくもっと前です。具体的に言えば、席替えを行う前でしょうね。」

なぜそうなる。

「先程申し上げた通り、今までは凉宮さんが望んだからあなたは凉宮さんの席のすぐそばだったのです。これは恐らく確定事項です。そして今回は凉宮さんの席のそばではなかった、この事が意味するものは……」

「ハルヒが俺に興味を失ったんじゃないか?この言い草だとまるで元々興味があったみたいで自惚れにきこえるがな」

「いえ、その通りです。しかし、興味を失ったくらいであんなに席を離すでしょうか?」

確かにそうだな。ハルヒは窓際の列の一番後ろで俺はというと、なんでまあ、よりによってか、廊下側の一番前ときた。全くもしハルヒのせいだとしたら、迷惑この上ない。

「じゃあ、嫌われたんじゃないか」

「そんなことはないとおもいますが……何か心当たりはありますか?」

「いや……特に……」

「……そうですか、なら恐らくこういうことではないでしょうか」

古泉は右手の人差し指を立てながら事件解決編の探偵気取りで、

「あなたが知らない時に、もしくは、あなたが気づかない内に彼女の心理に何かしらの変化が起こった。もしくは物理的にあなたを避けなければならなくなった。そのため、席を離すよう望んだ。恐らくただあなたを嫌いになったわけではないでしょう。もしそうなら、あなたがSOS団員だという事実を改変したりすれば済むことです」

まあ、一理あるか。確かに市内不思議散策は普通にやっているものな。

「そうです。とすると、平日、もしくは学校であなたと接触するのに何か不都合な点があるのかもしれません」

いや、普通に朝あったら挨拶くらいはするぞ。

「ふむ……とすると……成る程、手詰まりですね」

古泉は苦笑いを浮かべながら言う。

ちょっと待て。笑い事じゃないぞ。第一お前の仮説が正しくても何故俺が死ぬことになるんだ。飛躍しすぎだ。

「確かにそうかもしれません。なら、もう一つの大きな変化を取り上げてみましょう。文化祭の不参加です。これは驚きを隠さざるを得ません」

まあな、そりゃ俺も驚いたさ。だが去年みたいな苦労をしないでそれに越したことはないが。

「もしかしたら涼宮さんのバイタリティが著しく低下しているのではないでしょうか?一昨日の休日の市内散策も凉宮さんは至極まともなことしかおっしゃっていませんでした。これはちょっとした恐怖ですよ」

まあ、本来なら喜ぶべきことなんだがな。確かに悪寒は感じたな。

「ええ、何とかして凉宮さんに不思議探求に関しての活力を取り戻してもらわないとなりません」

それで俺が助かるのか。

「ええ、恐らく。僕を信じてください」

古泉はそう言うと腕時計を見やって、

「もう遅いのでひとまず解散としましょう。不安でしょうが、ここはひとまず冷静に。」

「……そうだな。じゃあ帰るか、長門、こんな時間に悪かったな。ありがとよ。」

「別にいい」

「そうか」

「では、そろそろお暇しましょう。僕は一足先に帰らせてもらいます。長門さん、お邪魔しました。」

そう言うと古泉はそそくさと帰って行った。何か用事でもあるのか。

俺も玄関へと向かい、見送りに来てくれた長門に

「じゃあな」

というと、長門は、

「大丈夫、私がなんとかする。安心して。」

そうかい、お前にそう言って貰えると今日はぐっすり眠れそうだ。