二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夏目友人帳 妖しきものの存在 ( No.8 )
日時: 2012/01/15 07:07
名前: 睦月 (ID: qzlbh8SM)


レイコ…。

「レイコさんはおれの祖母です。おれは夏目貴志。」

「貴…志?なぜ孫が…。ああ。そうか。レイコは逝ったのか。」

「はい。」

白髪の妖は残念そうな顔をした。

「そうか…。」

——最近、レイコさんが亡くなった事を知ると悲しむ妖が多い。何故なんだろう?

「貴志、私は少し急いでいるのだ。早めに名を返してくれ。」

「分かりました。」

おれは友人帳を取り出す。

「ぼろぼろだ。もうそんなに月日が経っていたのか。」

「……。」

おれは妖をイメージする。

パラパラ…

1枚の紙が立つ。おれは慎重にその紙を破り、口にはさむ。

「——「ちよみね」様、名をお返しいたします。」

ふっ。息を吹きかける。紙に書かれた文字は白髪の妖の中に入る。


「ねえ、あなた私と勝負をしない?」

「勝負とは?」

「そうね…あなたが勝ったら私を食べていいわ。」

「お前を…食べる?」

「そう。私が勝ったらあなたの名前をちょうだい。」

別に、名などいらない。私はこの世界の重要な役割を持っているわけではないのだ。