二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.105 )
- 日時: 2012/04/27 17:15
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
50話「鬼達の亀裂」
月明かりのもと、4人の鬼が殺気をみなぎらせ対峙した。
海「私はもう、迷いません。」
匡「姫の使いさんよォ。悪ぃが、邪魔者は消さなきゃならねぇ。」
天「戦う事はお勧めしません。このまま今後についても黙認して
頂きたいのですが。」
面白そうに笑って銃口を定める不知火。礼儀正しく退却を勧める天霧。
そして
海「もう、私に貴女方の鎖は、無い。」
虚無の闇を瞳に宿して刀を構える、海。
君「くっ!!」
さすがに不利と感じたのか、君菊が姿を消そうと構えた。
匡「おっとォ!」
いち早く気付いた不知火が発砲する。しかし、命中させるには一瞬
遅く、君菊は瞬間的に消え失せた。
———ぴしゃっ
君菊に一番近い所に居た海の頬が紅く濡れる。
海「掠りましたか。お見事です、不知火さん。」
匡「そうか?命中させたかったんだがなァ。」
天「無意味な殺生は不要です。戻りましょう、二人とも。」
君菊を仕留めそこなった3人は、月明かりのもと踵を返した。
ふわり。君菊がおり立ったのは、新選組の屯所だった。不知火は君菊が
来る事を予想し、銀の銃弾を使っていたようで、撃たれた右肩からは
まだ鮮血が流れている。
君「くっ。…迂闊でしたね。」
ぐったりした様子で、壁に寄り掛かる。顔は蒼白だった。
雪「あの、そこに誰か…きゃあ!!」
運がいいのか悪いのか、発見したのは千鶴だった。血を見た彼女が
悲鳴をあげ、その声を聞いて
土「どうした、千鶴!?」
平「なんだなんだ!また鬼か!!」
幹部連中も集まって来る。向こうから、
沖「はいはい、君達は部屋に戻ってねー。」
という台詞まで聞こえてくる。沖田や斎藤が、平隊士を足止めして
いるのだろう。
君「申し訳、ありま、せん…。」
空「ねぇ何か…き、君菊さん!!」
そこに医療係の山崎と空が同時にやって来る。
丞「これは銃傷か。回復しないという事は…銀か!」
君「御名答、ですわ…。」
丞「彼女を至急運びます!」
その場にいた幹部達が信頼のおける医療係の指示で動きだした。今宵、
屯所内の一部は、騒然となった。