二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.108 )
- 日時: 2012/05/04 18:44
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
51話「それぞれの刀」
匡「そーいえばよ、海」
海「はい?」
匡「お前の刀って綺麗だよな?何か光っててよ」
海「・・・」
屋敷に戻ろうと歩いている時、匡が言った。
海は静かに抜刀した。
海の持っている刀は、紅く太陽のような光を発していた。
まるで、何時も隣に居た空の様に。
海「これは私の家の家宝、暖温刀。だが、私の剣ではありません」
天「如何いう意味ですか?」
海「私の里では誓いとして自分の効力を持った刀を相手・・・私からすれば空に渡す、という掟があるんです。
私はこの刀では本気で闘えない。出来るならば今直ぐ交換したい」
それを聞くと、匡の口端がにいと上がる。
その表情を保ったまま、匡が言った。
匡「じゃあよ、今から取り返しにいかねぇか?その刀」
海「は?」
天「不知火、それはいけません」
匡「いいじゃねェか。行くぜ!!」
匡は海の腕を掴んだかと思うと、風になって消える。
海もバランスを崩したが、自分の一部分だけ移動することも出来ないので、風になった。
天霧はそれをみて溜息をついた。
だが、風となり消えていく。
———
空「君菊さん、何があったんだろう」
新撰組屯所に辿り付いた君菊は、烝や千鶴達によって治療を受けている。
何があったのか、まだ話せる状態ではないので、何も聞いていない。
君菊がいる部屋の前、屯所入り口辺りの部屋の前に座っていた。
?「うぁっ!ちょっと・・・・・さん!行き成りやめて・・・ます!?」
?「悪ィ悪ィ!でも・・・ねェか。・・・・だしよ」
?「・・・。貴方はもう少し・・・て・・・・下さい」
屯所の前で声が聞こえた。
風が吹いていて途切れ途切れで聞こえづらいが、誰かいる。
三人程と聞こえた。
空「だ、れ?」
空が塀の向こう側に頭を出した。
そして驚愕する。
其処には、海や不知火、天霧が立っていたから。
空「何・・・しに来たの!?君菊さんに怪我させたのも、どうせあんた等なんでしょ!?裏切り者の癖に!!」
海「ああ、君菊さんに怪我をさせたのは私等さ」
空「!!」
普通に答えられて、逆に返す言葉がなくなる。
海「おい」
海に声をかけられて、思わず空の肩が震えた。
空はぎゅっと手を握って、海を睨んだ。
そんな睨みには何の恐れもせずに、海が言う。
海「私の刀・・・返せ。その腰に差してある冷寒刀だ」
鋭く睨む。
空「や、やだ!!これは私の刀だもん!!」
咄嗟に空が抜刀した。
その刀は、海の刀と反対で、蒼く月のような光を発していた。
匡「成る程な」
天「そう言う事ですか」
海は一つ溜息をつくと、静かに抜刀した。