二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照900超感謝】 ( No.128 )
日時: 2012/06/16 10:10
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
参照: テスト何日前だと思ってんの?そんな中投稿なんて勇気あるね、俺。

67話「目的」


海「千姫達ももう感づいていると思われます。行くならばさっさと行きます」
匡「あぁ、それが良い」

海は乱れていた髪を整え、前髪を耳に掛けなおす。
匡の手を借りながら、立ち上がった。

匡「幻聴は?」
海「とりあえず今は治まっています。…が、次何時くるかはさっぱり」
匡「そうか。次来る前に行こうぜ」
海「はい」

ゆっくり、でもしっかりと部屋を出て行く。
玄関の前に行くと、二人は顔を見合わせる。
頷きあうと、次には二人の姿は無く、風が吹いていた。

———

千「もしかしたら、海も感づいているかもしれないわね」
君菊「…?何故です?海は小道のこと知らない筈では?」
千「ええ。海は知らないわ…。だけれど、風間や天霧、不知火は知っていると思うの」

千の言った言葉に、その場全体に居た人が声を上げる。

空「な、何で?」

空の問いかけに、千は首を振る。
只一言、「私が知ってるのと同じ理由かも」とだけ言った。
空はまだ頭に疑問符が浮かんでいた。

千「とにかく、早めに手を打っておかないといけないわね」

千は立ち上がる。
君菊もそれに答えるように立ち上がった。
空も、一応立ち上がる。
千鶴も一緒に行こうとしたが、千に止められた。

千「じゃぁ、行ってくるわね。…千鶴ちゃん、じっとしていてね?」
千鶴「う、うん」
君菊「では、失礼致します。空、行きますよ」

空は隣にあった刀を左手に持ちつつ、じっとそれを眺めていた。
少し刀身を出すと、そこには鈍く光を放つ刀が見える。
だけれどその輝きは、人間が持つ刀と同じだった。

空「私の為にも、頑張らなくちゃ」

「海の…為にも」

空は誰にも聞こえないよう呟く。
千は静かに目を伏せる。
そして目を開くと、空を見据える。

千「行きましょう、空」
空「はい!」

空は元気良く返事をし、消えていった。

千鶴「大丈夫でしょうか」
総「大丈夫だよ。だって彼女達、鬼だよ?」
千鶴「でも、鬼同士の戦いですよ?」
総「そんなに心配なら、千鶴ちゃんも行けば良いのに」
千鶴「そうですよね、じゃぁ」

千鶴が総司の言葉を真に受け、立ち上がろうとする。
が、それは一によって遮られた。

一「待て。何の為にあいつ等があんたを此処に残したと思ってる。…考えろ」

千鶴ははっとした。
部屋は、物音弌さえ聞こえなかった。