二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1000突破感謝】 ( No.136 )
日時: 2012/07/04 18:13
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
参照: テストの結果ヤバかった…でも更新いっくぞーー!

74話「求められなかった力」

屯所では鬼達と新選組の激しい戦いが繰り広げられていた。
土方は風間と対峙し、千鶴を守って攻防一戦だ。
風「どうした土方!!」
土「く、そっ…!!」
雪「っ。…やめて!!」
千鶴は自分が行けば彼らが撤退すると分かっているらしく、土方の
前に出ようとした。しかし
土「馬鹿が、何してるっ!!」
雪「で、でもっ!」
それを当の土方が押し止める。万事休すかという時
丞「副長、雪村君ッ!!」
現場に忍装束の山崎が駆け付けた。彼の姿を見て土方の頬が一瞬だけ
緩み、直後風間へ一突きを繰り出した。
土「山崎、千鶴を頼むっ!」
丞「御意!」
風「おのれ…」

裏には付近では、海と空が戦闘を開始していた。しかし、今は両者
睨み合い、刀ではなく口を動かしていた。
空「その話を聞く限りじゃ、雪村家は白里の恩人じゃん!」
海「……恩人、だ?」
空「そぉよ!命助けてもらったんだから——」
海「頼んだという記録はないッ!!」
海が一喝して空の言葉を封じた。
空「な、恩義を感じてたんでしょ!?なら」
海「あぁそうさ、少なくともその女鬼はな!!他の者の気持ちを
  確認せずに『鬼の心は変わらない』だ?ハッ!これだから温和な
  一族は甘くて困るんだ!!」
荒い息をつきながら、海は怒鳴り散らした。
海「誰も助けてくれなんて頼んじゃいない!雪村の助けは、そもそも
  求められなかった力なんだよ!!」
空は眼を見開いて硬直していた。海の心の闇が、一気に体に巻きついた
感じがして、何も言えなかった。

——こんなにも私は、彼女について知らなかったんだ…

それは後悔か絶望か。はたまた空しさか。
空「もう、わかんない…」
ひざから崩れ落ち、空は泣いていた。