二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1000突破感謝】 ( No.137 )
- 日時: 2012/07/04 23:13
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
- 参照: テスト?んーと…悪くは無かった、かな。まぁ、悪くは無い程度に。
75話「様々な色を映す瞳」
海の前に泣き崩れる空。
空の前に立ちはだかる海。
啜り声を上げながらなき続ける空を見ながら、海は笑う。
海「はっ!滑稽な良い姿じゃないか、空。其の侭死ぬが良いさ」
ひゅうっ、と風の吹く音がしたかと思うと、空の後ろに海が居た。
海は刀を空の首元に刀を着きつける。
空「っっ!!?」
海の移動に気がついていなかった空は、その光景に息を呑む。
動揺の色を瞳にチラつかせ、声にならない声を出した。
空の頬を、つー、と冷や汗が垂れる。
その汗は、まだ止まっていない涙の筋と共になり、流れる。
海「動いたら斬る。それとも、今直ぐ楽にしてやろうか?」
空「あ…ッ!」
海は、何時も空を殺すときに邪魔が入るのを思い出し、口の端を静かに上げる。
くっと笑うと、喉元に刀を少し走らせた。
空は行き成りの事に痛みで顔を歪ませる。
海は自分の口を空の耳までもって行き、小声で呟いた。
海「お前を殺そうとすると、邪魔が入る。だから…」
海は呟いた処で少し切る。
空は恐怖に顔を歪めつつも、聞き返すような声を出した。
海「そう。だから、今直ぐ楽にしてやろう」
空が顔面蒼白になる。
海は狂気に満ちた笑顔で、刀を振り上げる。
空は自分の最期だと、瞬間的に悟る。
が、その悟りは間違っていた。
—カキィィンッッ!!
と澄み切った、刃物同士がぶつかり合う音が聞こえる。
海も空も、突然の事に驚く。
海の刀とぶつかっていたものは、左之助の槍だ。
海「原田…左之助…!余計な真似を!!」
左「仲間じゃねぇのかよ!?」
海「仲間!?馬鹿な事を言うな!不知火さん!良い処だったのですが!?」
匡「俺だって良い処だったよ!」
張り合うように言う。
海が振り返った事により、空は取り合えず自由の身となる。
安心の色を浮かべ、ほーっと溜息を付いた。
だが直ぐに刀を抜くと、海に斬りかかる。
海は反射的に左手で防ごうとするが、
【未完成な体】である以上斬られて戻らない事を悟り、右手の刀で防ぐ。
辛うじて受け止めた海だったが、反動で少し後ろに飛ばされる。
海「軟弱が…ッ!大人しくしていれば直ぐ殺してやったものを!」
空「私、もう決めた!!」
海が小声で言ったのに対し、空は意を決したように大きな声で言う。
空の瞳には、決意の色が見えていた。
隠れることは無い、決意の色だった。
空「海…!あんたは、私が殺す!!」
とんでもない発言だった。
海はその発言を聞き、一瞬固まる。
が、直ぐに笑いだした。
海「は、はははは!!お前が、私を殺す!?くっく…!冗談はよせ。
あぁ、腹が痛いな。さて、お前に私が殺せるか?」
海は淡々と言い放った。