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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1100突破感謝】 ( No.138 )
- 日時: 2012/07/08 18:04
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
76話「刺し違えてでも!!」
決意の表情で立ち上がり、空は一歩前へ踏み出した。
空の脇を駆ける際、原田が真剣な声音で呟いた。
原「空、死ぬんじゃねぇぞ。」
その声が聞こえたのか否か。空は無表情に海と向き合った。
空「……行くよ。」
するりと髪紐を解くと、たちまち銀に染まっていく。
額に角が浮き上がり、瞳の色は爛々と金に輝いた。
海「…ほぉ、全力で来るか。」
空の変化に続いて、海の体も変化する。二人の犬歯は
鋭くなり、手の爪も獣の様だ。こうして見ると、
二人の姿はよく似ている。違うのは一点……海の左
腕の爪が伸びていない事だけだ。
空「黒里の長として、白里海。貴様を鬼の道を
外れた者とし、抹殺します!!」
海「やってみろ。私は御心を貫くのみ!!」
威厳に満ちた空の声音にも全く動じず、海は刀を
構えて言い返す。
睨み合い……刀が鳴る、それが合図だった。
海「はァァァァァッ!!!」
空「らァァァァァッ!!!」
刀と刀の噛合う音が響き渡る。二人とも片手で刀を
振り回しており、肩から先は速すぎて、幹部達には
何も見えない。目視できるのは、千鶴を含めた
鬼達くらいだ。
空「くっ!!」
海「ちっ!!」
一度間合いを取り、ようやく二人の姿が見える。二人
とも、腕は傷つき回復が追い付いていない。
空「………止める。絶対。」
海「フン、まだ言うか?」
からかう様な口調だが、海の目にはもう余裕が
なかった。剣技では海の方が上だが、左腕の所為で
空と互角になっているのだろう。
空「止める。刺し違えてでも!」
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