二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.14 )
日時: 2012/01/21 11:36
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

3話「男装女鬼」


「はぁ?」

幹部が首を傾げた。
これで3回目だ。
その度い海が溜息を付き、同じような説明を繰り返す。
屯所内。
「入れ」と言われて、状況とその成り行き説明をしている。


海「だから!私達は千姫様の命で、千鶴様をお守りするよう命じられたんだ!」
空「何で分かんないわけ。頭悪い?」
海「お前だって最初はまともに分かってなかっただろうが!」

海は呆れていらつきが増し、怒鳴るように言う。
それから幹部達に顔を向けて、「分かったか?」と言う。
そして千鶴の方を向いて言う。

海「御見苦しい処を申し訳ありません、千鶴様」
千鶴「いえ・・・」

千鶴は苦笑いする他手の打ちようがない。
空もあははーと笑う。
海はそんな空を肘で小突く。
すると空はぴしっと座りなおした。

一「副長、こいつ等は雪村を守る命を受け、此処に居るようですが、如何します?」
土「んなこと言ってもよぉ・・・ったく。千鶴!」
千鶴「はっはい!?」
土「こいつ等の事はお前に任せた」
千鶴「えっえぇぇぇええ!!??」
平「何だよソレー・・・。おっ返さねぇのかよ?」
総「簡単に帰ってくれるとは思わないけどね」
海「当たり前だ」

総司が言った途端、海が素早く返す。
海は総司を睨んでいた。
総司も顔は笑っているけれど、眼だけは海を凝視して睨んでいた。

総「僕と勝負して負けたら大人しく帰ってもらうとか?」
空「海は強いから絶対あんたなんかに負けないよ!」
左「総司も結構強いぜ?勝てるか?」
海「勝てるか?とは余裕な言い回しだな。勝てるかではなく勝つのだ」

海は半分馬鹿にして言う。
千鶴にはしっかりと仕えるが、その他は別のようだ。
その流れでずんずん戦った勝ち負けでどうたらこうたらの流れになった。
そして裏庭に出てしまった。
2人は腰に挿している刀を抜刀する。
同時に地面を蹴った。
無言で走り、同時に刀を合わせる。
キィィンッという音が響き渡る。

海「なかなかやるじゃないか」
総「君だって。でもね・・・」
海「!」

総司が急に刀の力を抜いた。
その反動で海の体が前のめりに傾く。
その隙に総司が胸辺りに向かって刀を振って、海の着物を破いてしまった。
危ないところで直撃を避けた海が総司の首元に刀をぴたりと突きつけた。

総「やるね・・・戦場だったら死んでたかも」
海「だろうな。私だったら殺していた」

海の着物は斬られ、胸に巻いてある晒が見えた。
千鶴は海に近寄り、手当てしようとした。
そして、見てしまった。
何故晒を巻いているのか。

千鶴「えっ・・・・もしかして海さんって・・・」
海「・・・。御恥ずかしいばかりです、千鶴様・・・」
空「あーあ。気をつけろって言ってたの海でしょ?」
海「何か言ったか?」
空「なっ何も言ってません!」
海「千鶴様、私達は女鬼です。以後もどうぞ宜しくお願い致します」
千鶴・幹部「えぇぇぇえええぇぇえええ!!!!!??」