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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1100突破感謝】 ( No.142 )
- 日時: 2012/07/24 18:28
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
79話「絆の繋ぎ目」
「がはっ!!」
「くぅッ!!」
苦痛に身悶える声が二つ聞こえる。
それは海と空のものだった。
二人の刀同士は一寸の間違いもなく心臓を貫いていた。
海「く、っそ!」
海は思い切り刀の方向を変え、空から引き抜く。
空からは血飛沫が出る。
空「きゃぁぁああああ!!!」
空が声を上げる。
空は自覚は無いが、体が仰け反り、反射的に海から刀を抜く。
海からも血飛沫が上がるが、海よりかは痛みに我慢している。
海「かはっ…げほげほっっ」
空「うぅぅ!」
お互いに口から血を吐き、心臓辺りは血に染まっている。
千鶴はずっと見ていたけれど、何も発言できず、眼に涙を溜め口を手で押さえている。
千鶴「海さん、空さん…っ!」
海「お互…い、まだ、死ねな、い様だ…な」
空「現実、ゆ…めの、間を、行き来してる…みたいな感じ、よっ!」
口元はまだ笑っており、眼は虚ろだった。
気力は無くなっているようで、もう攻撃する様子は無かった。
体の力が抜け、ぱたりと地に倒れこむ二人。
千鶴は駆け寄り、二人に声を掛ける。
千鶴「海さん、空さん!大丈夫ですか?今、手当てをっ」
海「いえ…私は手当ては結構、です。このまま死んでいきます」
海は千鶴を見て、虚ろに笑った。
空も、千鶴の差し出す手を拒んだ。
空「私も、大丈夫、です。私の力不足もありました…が、このまま、消えて、いき…たいです」
無理矢理笑ってみせる空。
そんな二人を見て、千鶴は更に泣きそうになった。
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