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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1100突破感謝】 ( No.143 )
- 日時: 2012/07/25 12:29
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
80話「背中合わせの志」〈終〉
千鶴は二人のそばに座り込んで、二人の右手を取った。重ねて
両手で包んでいるのに、どんどん体温が消えていく。
海「貴方は、優しい、方ですね…」
空「鬼の中に、貴方の様な…方が、いて…嬉しかった…。」
雪「そんなっ!遺言みたいに言わないでください!!!」
千鶴は涙を流して、二人の手を強く握った。その時、海が初めて
優しい微笑を見せた。
海「雪村としての誇りを胸に…」
空「貴方らしく、これからを…」
二人同時に言葉を残す。言っている事はまるで背中合わせだが、
優しい表情は同じだった。海が微かに笑う。
海「私達は、志まで、『背中合わせ』、だな…」
空「うん、そうだね。でも、これから、言う事は、どうかな…?」
二人で一瞬微笑あうと、虚ろな筈の瞳で千鶴をまっすぐ見て告げた。
海・空「生きて、ください…」
雪「ッ!!!」
千鶴が涙を流して頷く。それを見ると、また二人が微笑んだ。
雪「いや…いやァァァァァ!!!」
千鶴の手から、するり、と二人の手が滑り落ちた。
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