二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.24 )
日時: 2012/02/02 21:02
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

10話「人か鬼か」

走る。屯所内を二人はひたすら走った。広間に向かって。
空「み、皆さんっ!!」
土「お前ら!今刀の音が…」
沖「…もしかしてきた?」
雪「お、表で海さんと風間さんがっ!!」
斎「副長!!」
周りを見回すと、幹部はもういつでも戦闘できる体制だ。土方は
それを見て頷き、声を張り上げた。
土「いくぞてめぇら!!」
掛け声一つで幹部全員がでて行き、残されたのは千鶴と空。
空「ここで待っていましょう?」
雪「……はい。」
心なしか千鶴の元気がない。空は心配になって顔を覗き込んだ。
雪「やっぱり私が……」
空「何言ってるんですか!千鶴さん!」
暗い顔をした千鶴に、空は珍しく声を荒げた。
空「人か鬼かなんて関係ないですよ!千鶴さんは、
  千鶴さんの人生を生きて下さい。」
雪「私の………」
空の声に千鶴はハッとして顔を上げた。
雪「…はい!」
元気な声を聞き、空も笑顔になった。同時に、表の
喧騒も静かになっていた。

千鶴と空が話している頃の、屯所の前庭。
風「ふん。人間も来たか。」
海「退かれては、如何ですっ?」
凛と言い放つ海も、多少息切れしていた。風間を
相手にするなら、空と共闘ならまだしも、一人では
さすがに手に余ってしまう。
風「フン、何処までも強が—」
海「千姫様の権限を使い、貴様に命ず!退かれよ、
  風間千景っ!!」
風間は眉をひそめたが、千姫の名前を出されてか
刀を鞘に収めた。
風「いいだろう。あの女鬼はいつでも取れる。」
一陣の風と共に、風間の姿は消えた。