二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.48 )
日時: 2012/02/18 10:35
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

17話「闇色の差す眼」


千鶴「もしかして・・・海さんに空さん!?」

何時も見慣れた髪色とは一変し、二人共白銀の髪に金眼だった。
額には、小さいけれども2本の角がある。
その姿に千鶴は驚愕した。

海「おい、人間!千鶴様を早く安全な処へ!」

鋭い眼で土方を睨む。
土方は数歩後退りしたが、この場を離れようとしない。
海は軽く舌打ちをすると、前を向いた。

海「まさか、また近々会うとは思ってもおりませんでしたね、風間様」
空「そーだよぉ!何でこう頻繁に来るのかなぁ!?」

海と空の姿を見て、風間は笑う。

千景「お前達こそ、この俺に本来の姿で挑むとは・・・それ程力が弱いという事だな」
海「五月蠅い!」

千景の言い分に、海が怒鳴る。
匡や天霧は遠くからその光景を眺めていた。
が、匡が口を挟む。

匡「小さい里の子等じゃねぇか?懐かしいなぁ」
空「!!」

そう言って銃を構える。
空の反応が遅れた。
パンっと小さな音を立てて、銃弾が飛んできた。
海は、素早く空の前に身を立て、刀で銃弾を弾き返す。
海の刀は、暖かな橙色の光を纏い、輝いている。
匡は「ひゅうっ」と口笛を鳴らした。

海「これはこれは・・・。貴方方もお久し振りに御眼にかかります。不知火さんに、天霧さん」
匡「やっぱり海じゃねぇか。今回は俺等の敵なんだなぁ」
天霧「再会を喜び合う時間ではありませんよ、不知火」
匡「わぁーってるって」

また銃を構える。
そして、引き金を引いた。

カシャン

弾切れの音だ。
緊張が張巡らされていたこの場に、海と空がふう、と息を吐く。
一方弾切れだった不知火は、やれやれとでも言いたげに、銃を腰に挿す。
海は千景と対峙し直す。

千景「お前はあの女鬼の事を如何思っている?」
海・空「!!」

海と空が眼を見開く。
その眼には、戸惑いの色が交えていた。
そして、空が口を開く。

空「私達と同じ鬼だもん!大切な方だもん!」

空が語句を強めて?はっきり言い切る。
そんな空を見て、海の瞳にはスッと闇色が差す。
その眼で、千景を見る。

海「私は、千姫様からの命を受けてあの方を御守りしているだけあり、別に何とも思ってはいない」
千景「ほう」

海の答えに、千景が面白そうに返事をした。
逆に空は、海の顔を見て驚愕の表情を浮かべた。