二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.6 )
- 日時: 2012/01/14 20:30
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
0話 「鬼達の里」
——あの時、鬼の歴史が少し動いた。
鈴鹿御前の下に付いている、身分の低い鬼達の住む里があった。
その里では、二つの鬼の一族が、昔から仲良く協力して住んでいる。
里長の2人は同じ日に生まれた同じ年齢の者でないといけないという掟がある。
その掟を破らぬよう、今日、里では赤子が2人生まれた。
一方の鬼の名を黒里「空」。
もう一方の鬼の名を白里「海」と言うそうだ。
2人は仲良く育った。
—そして、鬼の見た目的に17歳になる時の誕生日
空「う——みぃっ。誕生日おめでとー」
海「あんたも誕生日だろうが。おめでとう」
2人は大分大きくなっていた。
空は明るく、海は冷静に育っていた。
男装をしては居るが、正真正銘の女子だ。
その2人に、両親が近づく。
空父「いや〜仲良く育って良かった」
海父「だな。これからも仲良くするんだぞ」
どちらの両親も笑って二人の横を過ぎていった。
いや、過ぎていこうとした。
勢いよく振り返り、言った。
海父「お前達に会わせたい方が居るんだった」
海「父さんから?誰」
空父「鈴鹿御前の千姫様だよ」
空「お父さん、それ本当!?わぁーいっ」
—————
2人はある場所で、頭を垂らしていた。
その頭の先には、誰か居る。
海「千姫様。我々次期里長は、貴女に従う者で御座います」
千「頭を上げて良いわ」
そう言われると、空は一目散に視線を前に移し、正座した。
そんな空の行動を見て、やや呆れつつも海が控えめに頭を上げる。
その2人の視線の先には、幼い頃からずっと両親に言われてきた人、千が居た。
千は目の前に居る2人を見比べながら、くすりと笑った。
空「?千姫様、私達の顔に何か付いてますかっ!?」
空が聞いて、真赤になる。
千は静かに顔を横に振る。
千「いいえ、何もついてはいないわ。只、貴女方はとても性格が違うのね」
海「はぁ・・・。まぁ、同じ里に生まれても、性格まではどうかと」
千「そうね」
千は短く笑って言うと、本題に入った。
半々刻後。
話は終わったらしい。
空が眠たそうに欠伸をしようとした。
それを海が肘で突いてやめさせる。
海「かしこまりました、千姫様。ただ、邪魔が入った場合・・・」
千「その場のコトを考えて行動して頂戴。良いわね?」
海「仰せのままに。空、分かったか?」
空「え?あ、うん。多分」
海「・・・。こいつには後で確り叩き込みますので御心配なく。では」
千「ええ、お願いね」
そう言うと、千の前から2人は消えた。
千に残ったのは、風だけだった・・・。