二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.62 )
日時: 2012/03/19 22:26
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

25話「それぞれの反応」


空「ねぇねぇ聞いて!!」

ぱんっと良い音を立てて幹部の揃う部屋の障子を開けたのは空だった。
特にする事もなくぐだぐだしていた幹部達は、何事かと顔を上げた。
長い廊下を走ってきた空は、かなり息が絶え絶えだ。
苦しそうな呼吸の裏で満面の笑みの空に、幹部達はちょっとした呆れを覚えた。

空「千姫様が、千鶴さんと、幹部の皆と、花見しようって!」
平「おおッ!花見ぃ!?」

空の言葉に逸早く反応したのは平助だった。
寝転がっていた体を素早く飛び起こし、眼を輝かせながら空を見る。

左「花見っつったら、勿論酒だろ。なぁ?新八」
新「勿論だ!一杯飲んでやろーじゃねぇか!!」

続いて左之助と新八が反応する。
左之助と新八の狙いは、花見より酒のようだ。
顔を見合わせて、にししと笑っている。

一「左之、新八。酒の為にある花見ではない。花見の為にある酒なのだ」

一は、左之助と新八の考えに真面目に抗議していた。
正座している一の後ろには、にこにこと笑っている総司が座っていた。

総「良いじゃない、一君。左之さんと新八さんはお酒が全てってくらいお酒好きじゃない」
一「そういう問題じゃなくてだな…」
新「おお、よく分かってんな、総司!!」

左之助と新八の考えに賛成するように促す総司。
一の考えを押し切ってにこにこ笑っている。
新八は、そんな総司をよく褒めていた。
一はまだ納得のいかないような顔をしているが、諦めたように溜息をつく。
何を言っても理解出来ないと悟ったのだろう。
そんながやがやしてきた部屋を、入り口で空がぼーっと見ていた。

空「…あたしの存在忘れられてない?」

空はぽつりと呟いた。