二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.63 )
- 日時: 2012/03/20 13:44
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
26話「沖田の話術と先手」
ばしぃんっ!と、空が障子を倒した。大きな音を立てて部屋内に
倒れこむ。
沖「?…おっと!?」
座りこんでいた総司が、落ちてきた障子を慌ててよける。
その後ろには、少々涙目の空が立っていた。拳を前に突き出している。
沖「あれ、空ちゃん?危ないなぁ。」
空「忘れてるよね、私の事。絶対に忘れてるよね…!」
その表情と台詞で、幹部達は「あ。」と言う顔になった。
下手な事を言ったら泣き出してしまいそうな空を、素早く沖田と原田が
巧みな話術で慰める。
原「ち、ちがうって。別にお前を…」
沖「そ、忘れてないよ。花見の話を持ってきたのは空ちゃんだしね。
ま、この人達がお酒の話を始めたのが原因だけど。」
その言葉で3人が「え、俺ら!?」と言う顔になったが、沖田は無視。
空「もう。私、監察方じゃないんだからねぇ?」
沖「うん。よく分かってる。」
二人して和やかな雰囲気になり始めている。
平「…山崎君がいなくてよかったな、左之さん?」
原「ああ。今の台詞で山崎は影が薄い事を認めたしな。」
斎「で、空。花見とは一体?」
事態が収まってきた所で、ようやく斎藤が話を戻した。
空「あ、あのね!…………………ってワケ!!」
説明の手順は下手だったが、空は全てを伝えた。と、そこに
近「皆、何やってるんだ?」
土「お前ら、今日から2日間休みだからって、休みすぎだ。」
近藤と土方が、出かけから帰って来た。
斎「副長、実は……………。如何しますか?」
土「あぁ?花見だぁ?んなものやってる暇」
沖「いいですか、近藤さん?」
土方が否定してしまう前に、沖田が先手を打った。幹部達の予想通り、
近藤は笑顔で頷いた。
近「うむ、皆で花見もいいだろう!な、トシ!」
土「え、あ。…ま、いいか?」
こうして新選組一行は、千姫の待つ八瀬の里まで花見に行く事に
なったのである。