二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照400超感謝】 ( No.77 )
- 日時: 2012/04/03 15:21
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
33話「黒染めの筆」
鬼ではない者達が屯所に帰ると、もう日は真上に上っていた。
酔っていない者達は、色々面倒な事で、酔っている奴を運ぶ。
屯所に戻ってくると、君菊が手際良く後始末をした。
千姫の姿はなく、途中で逸れて、先に帰ったらしい。
君菊「まだ酔っていますが、この方達は多分二日酔いに診まわれると思います」
千鶴「そうですか…」
千鶴は、君菊から色々な事を聞いていた。
二日酔いの時はどう接すれば良いかなども、教わっている。
あれこれ言い終わると、さっさと立ち上がり、海の方へ向かう。
耳元で海に何か囁くと、眼を見合わせてこくりと頷く。
君菊「それでは、これにて失礼致します。千鶴様、お元気で」
千鶴「はいっ!色々有難うございました」
君菊「いえいえ。海、空と千鶴様の事、頼みます」
海「任せてください、君菊さん」
君菊は、海の言葉ににっこり笑うと、さっと消えた。
海はそれを見送ってから振り返り、さて、と言う。
海「この者達はこれのままで良いでしょう。千鶴様、私には仕事が。一旦失礼します」
千鶴「あ、はい。お疲れ様です」
海も消えていった。
残された空は、まだ気持ち良さそうに眠っていた。
———
空「にゃぁぁああ!!」
夕刻頃。
空が大声を上げて起きる。
だが、その声で起きる幹部達は居なかった。
空はきょろきょろと周りを見る。
空の右隣には平助、左隣には新八が眠っていた。
空「あたし…なんで此処に?」
空は、昨夜から今日までにあったことを思い返す。
が、ふしゅーっと頭から湯気が出た。
空「分かんない…。そして頭痛い…。こーいうときは…」
じーっとしていたが、また直布団を持つ。
そして叫んだ。
空「もっかい寝る!!!」
ばたーんと音を立てて布団に寝転がった。
そして10秒もしないうちに「ぐ〜」と寝息を立て始めた。
これは、海が見ていたら呆れる位の速さだろう。
ところで海は、自室で何かを書いていた。
が、うとうとしていて今にも寝そうだった。
海「もう少しだな…」
欠伸をして、また筆を墨につけた。
そして、紙に筆を置いて、書き始める。
何と書いてあるかは、誰にも分からない。