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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照500超感謝】 ( No.87 )
- 日時: 2012/04/09 16:11
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
39「傾き」
月は傾きかけていたが、夜が明けるまではまだ暫く時がある。
君菊は、新選組の屯所に入り込んでいた。
幹部や隊士達に気が付かれないように屯所内を進んでいた。
君菊は屯所の地理を知らない為、暫く彷徨った。
?「君…菊さん、ですか?」
気配を消していた君菊だったが、後ろから声を掛けられる。
驚いて振り返ると、それは空だった。
空「どうかしたんですか?こんな所に居るなんて」
君菊「貴女こそ、こんな時まで起きていて何を?」
空「海、がちょっと。海が部屋に居るので、入り難くて」
君菊「私は海に用が。部屋は何処に?」
空「へ?千鶴さんの部屋の隣です」
君菊「そうですか。ありがとう。貴女、早く寝るように」
空「え…はい」
君菊は、最後に空の額を小突く。
空に聞きたい事だけ聞くと、直に去っていった。
空は呆然としたまま、その場に残された。
———
海「こんなものか…。さて、そろそろ」
海が何かを準備し終わり、立ち上がる。
部屋を見渡していると、気配を感じ、刀に手をやった。
その気配の主は、君菊だった。
海「君菊さん…」
海は少々驚いたようだった。
君菊「千姫様がお呼びです」
海「心配無く。丁度千姫の処へ行こうとして準備していたので」
海はさらりと言うと、君菊の隣へ並んだ。
静かに障子を閉めてから、君菊に向き直る、と、問うた。
海「空は?空も呼ばれているのでしょう。出来れば一緒にはなりたくありませんが」
君菊「先程眠らせておいたので大丈夫です。さぁ、行きましょう」
海「はい」
海は君菊の後ろをついて歩いていた。
先程君菊と空が話していたところに付くと、空が寝ていた。
何時もの様に、寝息を立てながら。
海はそんな空をみて、内心(馬鹿が)と思った。
君菊は空をおぶる。
と、君菊、空、海は風となって消えた。
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