二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂・オリジナル小説 ( No.6 )
日時: 2012/01/22 21:59
名前: みーぽん (ID: ouuVQhrA)

第五話。
時系列めちゃくちゃでお正月話。
長すぎたので前編・後編にする予定。

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 『A Happy NewYear』
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「ノブちゃん、明けましておめでとうございます」

「…明けましておめでとう」

今日は1月1日。世間一般で「お正月」と呼ばれる日だ。

見廻組屯所では、朝から賑やかな声(主に美琴の)が聞こえていた。

「いいですね、お正月。仕事しなくてもいいし、ごちそういっぱい食べられるし、佐々木さんに
 お年玉要求できるし…」

「最後のは要らないでしょ」

嬉しそうに語る美琴に、突っ込みを入れる信女。

「こういう皆の気が緩みがちな時ほど、よく事件が発生するのよ。見廻組隊士として、
 いつも気を引き締めていないと…」

正月といえど、信女はいつもどおり真面目だ。

「初詣行きたいなぁ…」

「私の話聞いてた?」

しかし美琴は、信女の話を完全にスルー。

正月ということで、テンションが上がっているのだろう。

「ノブちゃん、初詣行きましょうよ」

「初詣?」

「はい。可愛い着物着て。楽しそうですよ」

「行くなら一人で行って」

あっさり却下された。

「私、人ごみは苦手なの。」

「そうですか…」

シュンとうつむく美琴。

「せっかくノブちゃんと行けると思ったのに…」

「・・・」

「これじゃあお正月が楽しくないですよ〜」

「・・・」

「はぁ〜。行きたかったな…」

「・・・」

さすがに空気が重くなってきた。

「行くわよ…行けばいいんでしょ」

信女が半分投げやりに呟いた。

その言葉を耳にした途端、美琴がぱっと顔を上げる。

「今、行くって言いましたね?」

「え、ええ…」

「そうと決まれば早速っ!」

言うが早いが、美琴は部屋を飛び出した。

何故か、ノートパソコンを脇に抱えて。

取り残された信女は、

「この行動力を、もっとまともな方向に持っていけたらいいんだけど…」

そう言って、溜め息をついた。



5分後。

バタン!と大きな音を立てて、美琴が部屋に入ってきた。

「佐々木さんに許可もらってきました。今日は一日中出かけてもいいそうです!」

瞳を輝かせて報告する。

「よく許可取ってこれたわね…」

「ふふ。佐々木さんに、
 『これをネットで全世界に公開されたくなかったら、今日非番にしてください』
 って言ったら、簡単に許可されましたよ」

そう言いながら、手に抱えているノートパソコンを見せる。

そこには佐々木が今までに書いたものと思われる、大量のメールがあった。

「何これ…」

「佐々木さんのケータイにウイルス付きのメールを送りつけてハッキングし、
 私のパソコンにデータをすべて転送させました」

なるほど、美琴らしいやり方だ。

「いいの?上司を脅迫なんかして」

「脅迫じゃありません。交渉です」

そしらぬ顔で答える。

「しょうがない…行こうか」

「ちょっと待って下さい。もしかして、そのままの格好で行くつもりですか?」

「そうだけど…」

立ち上がった信女の服装は、見廻組の制服のままだ。

「折角初詣に行くんですから…
    もっと可愛い服、着ましょうよ♪」

そう言って微笑む美琴。

「え?」

嫌な気配を感じた信女は、ずずっと後ずさり。

しかし、美琴がその手を掴むほうが速かった。



「ちょっ…本当にこれ、着るの?」

「もちろんそうですよ」

「止めっ…放しなさい」

「放すわけないでしょ〜」

二人の部屋の前を通った佐々木は、部屋の中から聞こえてくる声を聞き、呟いた。

「楽しそうですねえ…」


それからしばらくして。


「もう嫌…」

ものすごく暗いオーラをまとっている信女の服装は、桃色の可愛らしい着物。

普段の彼女なら絶対に着ないと思われるものだ。

「すっごく似合ってますよ、ノブちゃん!」

「いっそ殺して…」

テンションの差が激しすぎる美琴と信女。

美琴も、水色と紫色のグラデーションが綺麗な着物を着ている。

眼鏡ははずして、髪はツインテールに束ねた。

「それじゃあ、出発しますか」

「…ええ」

かくして、見廻組ガールズは、初詣へと出発した。

   〈続く〉
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最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
続きは明日にでも載せようと思います。