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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN】夢想サ。【短編集】 ( No.15 )
- 日時: 2012/01/18 16:32
- 名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: mwHMOji8)
- 参照: http://yaplog.jp/re-bo-rn_com/
沢田綱吉夢/死ネタ
—→強くなりたい理由。
強くなりたい。
心からそう思った。
「—…綱吉、泣かない……で?」
苦しそうな律花の声が頭に響く。
俺の涙を拭おうと伸ばす、その手は虚しく宙を切った。
目の前には愛しい愛しい女。
血を流して苦しんでいるのに、俺は泣くことしかできないのか?
「ボスが、そんなんじゃ、守護者に示しがつかないでしょ……?」
それでも尚息も絶え絶えに喋りながら困ったように笑う。
その手を強く握りしめた。
「それ以上喋るな。傷口が開く。」
巨大マフィアボンゴレの十代目ボス。そんなの肩書きだけだ。
いざとなると好きな女一人も守れない十年前と同じダメダメのまま。
ファミリーを守るのがボスの役目なのに。それが例え"いきなり総攻撃"を仕掛けられても。
「…もう、良いの。」
それは何を意味するのだろう?
心の中で何度も自問を繰り返した。
けど脳が強制的にその答えを否定する。
もう、結果は見えているんだ。
「貴方は立派なボスよ…。ファミリーを…貴方の大切な友人たち、を—…。」
そこまで言うと律花の瞼が重たそうに落ちてくる。
嗚呼、そろそろ限界みたいだ。
精一杯開こうとする瞳を神は待ってはくれないらしい。
そして、もうその瞳が俺を見ることはなかった。
(強くなりたい理由。)
それは大切な人たちを守るため。
乾いた唇に口付けを落とす。
心なしか暖かいように感じた。
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おつかれさまでした!
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