二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN】夢想サ。【短編集】 ( No.32 )
- 日時: 2012/01/27 18:15
- 名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: mwHMOji8)
- 参照: http://_____
ベル夢/切
—→友達以上恋人未満。
ずっと好きだった。すんげー大好き。
誰にだってこの気持ちは負けてない。
「う゛お゛ぉい!帰ったぞぉ゛!」
「スクアーロ!」
——なのに何でスクアーロなわけ?
オレの方が金あるし強ぇしかっこいいし。
カス鮫より劣ってるなんてとこないじゃん。
それなのに妃は心からの笑みをオレには見せてくんねーの。
いつも"スクアーロ、スクアーロ"って。王子のことなんか見向きもしねぇ。
隊長と妃が付き合い始めたのは今から大体二ヶ月前のこと。
あの時たまたま居合わせて出るに出れなくなったオレ。
それは聞きたくもない瞬間。つくづく自分の不運を恨んでやった。
あの時隊長にだけ見せた泣きながらも幸せ一杯に笑った顔は一生忘れらんない。
「嬉しそうな顔しちゃって。」
隙あらば、なんて思ってかれこれ時は過ぎていった。
かっこ悪ィって思っても、こればっかりはどうしようもない。
だって本気で好きなんだもん。愛してんだもん。
諦めるなんて王子らしくねーし。
だから、今日。
この関係をぶっ壊す。
「妃、ちょっと。」
部屋を出ようとしていたところを引き留め手招きをする。
妃を向い合せて瞳を真っ直ぐに見つめた。
そしたらそれに合わせるようにこっちを見てくれる。
「……妃、」
「好き。」
長年溜めてた想い。
今更遅いかもしんねーけどこれだけは言っておきたい。
突然の事とその言葉に余程驚いたみたいで妃の視線が泳いだ。
でも、直ぐに
「…ごめんなさい。ベルの気持ちは嬉しいけど私はスクアーロが好きだから。」
なんて真っ直ぐ言うもんだから流石の王子も応えたわけ。
「…知ってる。ただ言いたかっただけだから。」
「うん………。」
オレがそう言えば重たい相槌が帰って来る。
困らせたいわけじゃねーのに困った顔をする妃。
だからって、オレ"忘れても良い"なんて言わねーぜ?
折角王子の気持ち伝えたんだもん。友達になんて戻りたくねーの。
「うししっ。んな顔すんなって。隙があったら口説くかもよ?」
「も、もう、ベルったら!」
冗談言わないでよ—って笑う妃。
わりかし本気なんだげと。
相変わらずあの日みたいな笑顔は見れね—けど、今はこれでいいって思った。
(友達以上恋人未満。)
なんて言わせねーから。
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おつかれさまでした!