二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】夢想サ。【短編集】 ( No.34 )
日時: 2012/02/07 18:03
名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: mwHMOji8)
参照: http://_____

フラン夢/切死ネタ
—→夢から覚めたら。






何度も何度も繰り返されるこの夢。

目の前には愛しい人がいて、目の前で切ない笑顔を浮かべている。
そして目の前で——————。



"フラン、ごめんね。"



そう言って死んでしまう、そんな夢。


「先輩、ミーはただ、生きててくれたらそれだけで良かったんです。」


誰もいない自室のベッドの上。仰向けの状態で両腕で目を伏せる。
微かに隊服に滲むソレ。それはとうの昔に止める方法を忘れてしまったもの。














ふと、夢を見た。

そこはただただ真っ白い世界。
その先もその後も見えない空間に二つの影。

ミーと
愛しい先輩。


「先輩!」


駆け寄って抱締めた。
ミーより年上の筈なのに腕の中に納まるサイズ。香り。柔らかさ。
全てが先輩のものだった。ただ一つ違うのはその身体が冷たいっていうところだけ。

何でこうも実感させられなきゃいけないんですかねー。


「フラン。」


そう言って抱き返してくれるところと優しく穏やかな声はそのままで。
再び涙で頬が濡れる。


「もぉ、泣かないでよ。」


困ったように笑う先輩。冷たい手がミーの頬を優しく拭った。
その手に何回も安心させられてきたこと、知らないでしょー。
今は冷たい先輩の手だって、いつでもミーを正直にさせる。


「先輩、行かないでください。」

「…うん、」

「先輩が居なきゃミー死んじゃいますよー。」

「…うん、」

「先輩。」

「なぁに?」

「好きです。」

「あはは。…うん、私も好き。」


一回じゃ言い足りない。
今まで恥ずかしくて言えなかった分。これから伝える分。
それから感謝の気持ちとかとにかく色々。


「フラン、私ね、彼方を庇ったこと、後悔してないよ。」

「………。」

「だから、自分の所為だなんて思わないで。フランが泣いてたら、いつまでたっても天国にいけないじゃない。」


静かに、ゆっくりだけど、確かに霞んでいく先輩。

————時が止まればいいのに。
柄にもなくそんな事を思った。でも、


「笑って。」


なんて先輩が微笑むもんですから、泣きながらも一生懸命笑いましたー。






(夢から覚めたら。)
あんたがイナイ世界

ミーは独り。



本当に寂しくて死んじゃいますよー。


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おつかれさまでした!