二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ______夢想サ。【REBORN短編集】 ( No.46 )
- 日時: 2012/02/27 12:06
- 名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: T3.YXFX2)
- 参照: http://_____
スクアーロ夢/甘夢
—→Mi piacque esso tutta la durata
あたしは日本出身な訳だから、
イタリア語なんて覚えなくて良いと思うの。
「う゛お゛ぉい!何度言ったら分かんだァ!!」
ビクっ
スクアーロの怒声と共にあたしの肩が揺れた。
「しょうがないじゃん!だって……分からないのよ!」
「開き直ってんじゃねえぇ!」
喝。容赦なくまた彼の低い声が響いた。
開き直ってないもん。本気だもん。
しょうがないじゃない。イタリアなんてあたしには縁も所縁もない国だったのよ—!
それも今となっては違うけど。
「お前…まさか単語の一つも分からねーわけねぇだろうなぁ゛…。」
「まさか!」
そんなわけがない。
そこまでを舐めてもらっちゃ困る。
単語を覚える事なんて朝飯を作るより簡単な事よ。
「"チャオ"と"ジャッポーネ"は分かるよ!」
えっへん。
両手を腰に当てて無い胸を張る。
そしたらスクの顔が、こう、なんて言うのかな。
目の前の物を否定するような目で…。
ってコラ!やめんかい!
「呆れたもんだぜぇ。よくそれでこの学校に」
「あ、あともう一つ。」
ポンと手を打つ。
スクは期待なさそうに顔を顰めた。
「スクアーロ!日本語で鮫でしょ。」
自信に満ちた顔で笑うと彼は口元に手を当ててそっぽを向く。
あらら、お顔が真っ赤ですよお兄さん。
もしかして照れてます?
きゅーん。ときて思わず口元が緩んでしまう。
いけないいけない。変態だと思われたらどうする。
きっとスクアーロは知らないんだろうなー。
あたしが自分の行動一つ一つに胸をときめかせてること。
あたしがいつも彼しか見てないってこと。
そして進展のない恋心を実らせてるっことに。
今だって、普段は無愛想で口悪いけど、こうして勉強に付き合ってくれてたり。
それだけでも十分期待しちゃう自分はやっぱりアホなのだ。
そんな様子の彼を見ているととある事に気づいた。
「…スク、髪伸びた?」
綺麗な白銀の短髪は肩にかかりそうな具合だ。
「ん?…あ゛ぁ。伸ばしてんだぁ。」
「えっ、じゃあ長髪になるってこと?」
「そういう事になるなぁ。」
そりゃ長い髪のスクもカッコ良いんだろうけどさっ
「今のままの方が好きだなぁ、」
彼は口をヘの字に紡いで瞳孔を大きく見開いている。
えっ、んン?
何言ってんだ自分んんんんン!!!
間違ってないんだけどねっ!
「いや、スクの長髪見たことないから短い方が似合うんだろうなって」
ってさっきと言ってる事変わってないいィっ!
ちょ、本当にどうすれば良いのよ。
見てよあの顔、こいつ何言ってんだって顔だよ。
ああああ穴があったら入りたい今すぐにっ!!
「おい、スクアーロ。」
そんな声がして振り向けば噂の脱へなちょこディーノがいた。
そしてスクに向かって手招きをしている。
救世主様!
「先生が呼んでるぜ。」
「……あ゛ぁ、今行く。」
チラ、とこっちに目線を向けられいってらっしゃいと笑顔で手を振った。
そしてディーノと共に部屋を後にするスク。
思えばスクアーロはそんな事気にしていなかったのかもしれない。
何を一人で熱くなっちゃってるんだ自分、恥ずかしい。
書きかけのノートを取るとそれで顔を仰いだ。
そしてら思いもよらぬ事にスクが帰ってきた。
あたしの処に向かって歩いてくる。
忘れ物?そう聞いても彼は何も答えない。
そして耳元で一言。
「Mi piacque esso tutta la durata.」
「えっ、なんて?」
聞き返してもその答えが返ってくる事はなく、彼はさっさと出て行ってしまう。
きっとそれはイタリア語だと思うけど、今の私には知る由もない。
取敢えずノートを広げ忘れないうちに端っこに書いておいた。
(Mi piacque esso tutta la durata)
「スク—!意味分かったよ!ずっと」
「う゛お゛ぉい!でけー声で言うなぁ゛!!」
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Mi piacque esso tutta la durataとは、日本語で「ずっと好きだった」という意味です。
因みに短い方が良いといわれたスクの心の声。
『う゛お゛ぃ……御曹司との約束どうすれば良いんだぁ…。』
学生時代の頃の彼がひたすら好きです。
お粗末様でした!