二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ______夢想サ。【REBORN短編集】 ( No.48 )
- 日時: 2012/02/27 12:00
- 名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: T3.YXFX2)
- 参照: http://_____
XANXUS夢/甘[バレンタイン企画]
—→逆バレンタイン
今からしようとしていることは、
我ながらも決死の覚悟だったのではないか。
もしかしたらコオォ—ってされるかもしれない。
それでも渡さずにはいられないのだ。
「律花です。」
「……入れ。」
奥から無愛想な返事が聞こえた。
高鳴る胸を抑え、息を呑んでいざ重たい扉を開く。
ギギィ…と鈍い音がして入れば、中は真っ暗。
それでも気配を感じ、人影の方へと足を進めた。
「……用件は何だ。」
目の前には大きな椅子に足を組んで座っている、我らがボスXANXUS様。
相も変わらずその虎のような眼をギラギラ光らせている。
——これは、気迫負けしてしまいそう な感じですね。
でも今日の私はいつもと違う。
私による私のための任務。
それを成功させるべくいざ、ある物をボスへと突き出す。
「…これ、受け取ってもらえますか?」
ある物———それは世に言うチョコレートってやつで。
私の出身地、ジャッポーネでは女の子が好きな男の子に
チョコを上げて愛の告白をする、なんて習慣がある。
だから、その…要するにそういうことなんです。
このバレンタインデーに託けて一世一代の愛の告白をしようというわけです。
ボスはというと差し出されたチョコを例の瞳で冷ややかに見つめている。
そして一瞬の事にバッと乱暴に奪い取りこれまた乱暴に包装紙を破いていくのでした。
私は訳も分からずその光景を見つめるだけ。
そしたらボスは中身を鷲掴み一気に口の中に放り込んだ。
そして、
「—————うめぇ。」
珍しく小さな声でそんな事を呟いた。
…これは、美味しいってことで良いんだよね?
嬉しくてつい口元が緩んでしまったらボスに睨まれた。
それが少し可愛く見えたってことは、ボスには内緒にしておこう。
(そんな事言ったら間違いなくコオォだもんね。)
「失礼します。」
深々と一礼して扉の方へと足を進めていく。
「おい、ドカス。」
背後から声を掛けられ振り返ればやけに小さい物が弧を描く様に宙を舞った。
両手で包み込むように受け止めれば綺麗にラッピングされた四角い箱。
青いサテンのリボンを解けば、中には赤いダイヤが煌めく指輪が。
「…ボス、これって」
「カスが。今日が何の日か知らねぇなんて言わせねぇ。」
——今日?
今日はバレンタインで日本では女が男に愛の告白をする日。
だから私もこうやって………。
でもここはイタリアで。
イタリアでは————。
「ボス…?」
声を掛けてもボスは鼻をフン、と鳴らしそれ以上話す気はないらしい。
取敢えず今は熱を持つこの顔を隠すことに決めた。
(逆バレンタインデー)
イタリアでは彼氏が彼女にプレゼントを贈る日。
私たちは付き合ってないけど…
これは期待せざるを得ないでしょ。
その後、私が告白をし忘れた事に気づいたのは一週間後の事。
——————————————————————————————————————
ここまで目を通していただきありがとうございました!
イタリアではサン・バレンティーノといいますね。
かなり遅いバレンタイン夢ですいません!
因みにボス夢はこれが人生初です。
それとこの場を借りて言っちゃうと、基本透子が書くヴァリアー夢はみんな10年後設定です(´ω`)
てか、何だこの平凡な題名。
お疲れ様でした!