二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ______夢想サ。【REBORN短編集】 ( No.51 )
日時: 2012/02/27 14:14
名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: T3.YXFX2)
参照: http://_____

ベル夢/切
—→勿忘草の花言葉。




"私ね、勿忘草っていう花が好きなんだ。"



いつからだったか妃はそんな事を言い始めた。
あの形、大きさ、数。それから淡い空色。
そして何より花言葉が好きだとか。


随分前だったし、あの時はゲームに夢中だったから
薄ら覚えでしかねーけど。…何だっけ。

ダメだ、思いだせねぇ。

そんな前だったっけ。
アイツがあまり笑わなくなったのって。


そんな前だったっけ。
妃が死んだのって。


*


妃の部屋に入る。

机上にはアイツの好きな勿忘草っつー花が飾られていた。
でもそれは本来の色を留めていない。
当然か。妃はもういねーんだ。
世話をしてやる奴もいねぇ。

鳶色に枯れた花に触れれば無残に散った。

触れるのもダメなのかよ。


「————妃。」


帰って来いよ。
死んだとかシャレになんねぇよ。
王子待たせるなんて良い度胸してんじゃん。

恨んでてもいいからさ。

なぁ、妃。


*


「お前さ、何か悩み事でもあんの?」


今から大体一週間くらい前、部屋で一緒に寛いでいた妃にそう聞いた。
最近のコイツは何つーの?心此処にあらずって感じ。
最近無理に笑ってる気がしてた。

案の定、妃の顔は曇って次第に下を向いた。
一瞬言おうか悩んだみたいで、複雑そうに眉を寄せる。
そして決心したのか顔を上げ、真っ直ぐにオレを見る。

唾液を飲み込む音がはっきりと聞こえ、ゆっくりと口を開く。


「あのね、ベル。」


———嗚呼。


「驚かないで聞いて。」


———本当は分かっていた。


「私ね」


———ただ認めたくなかっただけで。


「任務で…敵地に囮として向かうの。」


聞きたくなかった。


*



助けて。

妃の微かに揺れた瞳がそう訴えかけてきたように見えた。
それはオレの心を抉るほど、一生忘れらんない。


でもさ、どうすれば良かったわけ?
オレがボスに頼み込んだところでどうにかなるわけじゃない。


好きだから、もっと一緒にいたかった。
でもそれが無理な事も分かってる。

——それがオレたちの仕事だもんね。


"だから、どうか——。"


うん、分かってる。
つうか、当たり前だろンな事。




(勿忘草の花言葉。)
私を忘れないで。


「忘れるわけねーじゃん。」


墓の前で呟いて空色の花を添えた。


「つーか忘れられねーから。」


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おつかれさまでした!
因みに主人公は恨んでません(^ω^)

何か矛盾してますね。
我ながらすごい駄文^p^