二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:    カタストロフィーは永遠に、   〈inzm〉 ( No.25 )
日時: 2012/01/23 17:26
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)

(7)







 「……緊急会議?そんなのにラティアが?」
「うん。なんかそんなこと言ってたんだ。」


眉を潜める奏始に、クレープを頬張りつつ答えるティアラ。

そして、その“緊急会議”とやらで現在起こっていることを、







 「あんたなんか、氷付けにしてチューリップ冷凍保存してやるッ!!」
「ああ?やれるもんならやってみやがれ!!」
「……その言葉後悔させてやるからね!」







精神年齢の低い戦いを知るよしもないのだ。





「にしてもさ、流戯君凄いね!!まだ小さいのにあんなに魔法使えるなんてさ!」


皿の上に盛られていた色とりどりのクレープを平らげ、ティアラは微笑んだ。
急に褒め言葉を投げかけられきょとんとする流戯にかまうことなく、微笑むティアラの口は止まらない。




「ただでさえ扱いの難しい魔法なのにあんな簡単にやってのけちゃったから私びっくりしたんだー。」



ああ、そのことか。




納得した流戯は、ありがとう、と小さく告げた。



『転送魔法』、またの名を『ポイントジャンプ』。

転送魔法は属性に“空間”もしくはその変わりとなる魔力を持つ者しか使用不可能な高等魔法。

“空間”と言う魔力自体が極めて珍しいことに加え、扱いが難しく、過去には転送魔法の失敗で空間外に飛ばされ生死不明の者も少なからず居たという実例まである。

そのため転送魔法を使う、扱える者は数が少ないのだ。



「まあ、もともと流戯は素質あったからな。俺とか誓許がちょっと教えたらすぐにおぼえたぜ?」
「べ、別にボクに素質なんて……。」
「へー……やっぱり凄いや!!」




『とある喫茶店の和やかなひと時』



















 
 「……“牡丹様”。」





暗い、暗い。

とても古びた花園で、




「あら、その声は……“梅”かしら?」

「ええ、“菊”も居りますが……。」




三人、否










            三輪の“花”が咲く。









「……“イグルス”の件ですが。」




黄色い髪に、黄色い瞳の少年。“菊”が口を開く。

ほのかに香る菊の香り。













一面に広がる、枯れ果てた花。






「……まだ見つからないのね。」


「誠に申し訳ありません。……“マリア”の魔法が中々強く……。」









           三輪の花は、咲く。






「「「 “イグルス”を見つけださねば!! 」」」











『とある花園に住む黒い憎悪』