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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: カタストロフィーは永遠に、 〈inzm〉 ( No.47 )
- 日時: 2012/03/14 12:29
- 名前: 天音 (ID: cSw9GUzL)
(4)
「……何処だよ、此処。」
「え?結祈は俺たちに死んでほしいの?」
「あぁ……それもいいかもね、所詮ヒロトだし。んで、此処が何処かなんて聞かなくてもわかるでしょ?」
襲い掛かって来る兵の腹に蹴りを叩き込み、沈める。
少しばかりユーモアの含まれた会話であるにも関わらず、ソレが響く場は欠片の思いやりもない。
猛る炎に黒く燻る建築物。
叫ばれた絶叫に鳴り響く爆発音。
足元には大きいのやら小さいのやら様々大きさの骸。
青く澄んだ空が日常か、こんな惨劇が日常か、わからない世界。
「言わずもがな、
———馬鹿野郎どもの処刑場だよ。」
まるで歌うように紡がれた言葉は倒れていく誇り高き兵士には届かない。
「ちょ、過去さん!?その血どうしたんです!?」
「あぁ……ちょっと、ね?」
戦場から少し離れた森林の中、小さな白い建築物の中で美しい金髪を持った女が微笑む。
「馬鹿な駒を黙らせてきたの。」
「……こ、ま?」
過去、と呼ばれたその人は自分の衣服に付着した返り血を見て驚愕の声を上げた幼い少女に視線を合わせるように膝を折る。
合わせられた紫陽花色の瞳に浮かぶ疑問府には気付かぬふりをして。
「ほら、あんまり動いたら傷が開くから病室に戻って寝てなさい?」
張り付けた笑顔が少女の瞳には自然に映っていることを願い、
「……何時になったらこの馬鹿騒ぎは終るのかしら。」
小さく呟く。
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