二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: カタストロフィーは永遠に、 〈inzm〉 ( No.6 )
- 日時: 2012/01/15 12:23
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(2)
「いや、別にそれで困ることも無いからいいんだがな……。」
「むしろ平和でありがたいよ?仕事も少数でいいからね。」
只今午前七時。
開店から一時間たった店内にはちらほらと客の姿が見え始めていた。そしてその客の中の二人が上記のように語る少年ら“風丸一郎太”と“吹雪士郎”。
此処、世界の交点と呼ばれる国で『陽雷』と言う簡単に言うなら何でも屋、そこで働く二人。
聞いた話だと夜通しの散策活動の帰りらしい。
カウンター席に座り、注文したブレンドティーを口にしつつそう言う彼らの前にはカウンターを挟んで店長の奏始と店員の結祈。ちなみに残りの二人は店の奥で接客中である。
「なんか不思議な話だね、僕そんな情報一つも知らないけどなぁ……。」
そう呟いた結祈の手元には風丸の持参したこの地域一帯の地図。ところどころに赤い丸印がつけられたそれを眺め、青い瞳に疑問の色を浮かべる。
「それで何か手掛かりはあったのか?どう考えてもそんなの異常だろ?」
顎に手を当て言う奏始に対し吹雪が目を伏せ首を振る。
「僕や風丸君も色々と調べてるんだけど何も手掛かりになるようなことは見つからないんだ。伝記や文献を調べてるはずの鬼道君や豪炎寺君からもそれに関わる連絡は一切ないし、これといった大事件でもないから……。」
「だから、とりあえず今出来ることはその“異常”がどこまで進んでいるのか知ることだけで、地図の赤丸が付いてる所が比較的被害が大きいと判断した場所なんだよ。」
はぁ、と息をつく風丸、そんな彼の様子を見る奏始。
先程からただひたすら地図を眺めている結祈に対し“神原さんはどう思う?”と吹雪が問う。
地図から顔を上げた彼女はしばらく考える仕草を見せるとややためらいがちに口を開いた。
「さぁね、色々と聞いた話では“魔物の力が強力になる”なんて事例は山程ある。現に十二年前がそうだったらしいし、地域に限ったら三年前“二枚の天空”南部が、五年前には“九重の月”北部と西部がそうなった。
でも————」
言葉を止めまた少し考える結祈。どうやら情報屋の名は伊達じゃないようで知識量は軽く常人の上を行く彼女。
しかしそんな彼女でも、
「————“魔物の弱体化”なんて聞いたことないよ。」
と、答えたきり口籠もるしか術がなかった。
同日、同時刻。
“最上位の太陽”周辺地域————
「いつもより弱かった……国民の言う通りだ……。」
足元に赤い魔法陣を敷いた少女は言った。
まばらに落ちている大量の焦げた肉片はおそらく彼女の仕業だろう。
「……まぁいいや!!それよりクレープ食べたいな〜……。」
再び歩き出した彼女を人はこう呼ぶ。
————“炎の天使姫”と。